関係代名詞(relative pronoun)とは、前にある名詞(先行詞)とその名詞を説明する部分(関係節)をつなげる代名詞のことです。使い分けが難しく、英文法の中でも特に重要です。この記事では、関係代名詞の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
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関係代名詞とは何か?
関係代名詞(relative pronoun)とは、前にある名詞(先行詞)と、その名詞についての説明(関係節)をつなげる言葉です。このとき、説明される名詞を「先行詞」、その名詞を説明する部分を「関係節」と呼びます。
主な関係代名詞には以下があります。
- Who:人(主格)
- Whom:人(目的格)
- Whose:人・物(所有格)
- Which:動物・物
- That:人・物

たとえば、次の2つの文を見てみましょう。
- I met a girl. She can speak French.
私は女の子に会った。彼女はフランス語が話せる。 - I met a girl who can speak French.
私はフランス語が話せる女の子に会った。
1つ目の文は「girl」と「She」が別々の文です。2つ目の文は、「who」が「girl」を説明している部分(who can speak French)を導いています。つまり、「who」が2つの文をつなぎ、「girl」についての情報を追加しています。
この場合、「girl」が説明されている名詞なので「先行詞」になり、「who can speak French」がその説明をしている節なので「関係節」になります。そして、「who」が先行詞と関係節をつなぐ「関係代名詞」として使われています。

少し複雑ですが、関係代名詞を使うと文がスッキリまとまっています。
関係代名詞の種類と使い方
関係代名詞は、先行詞が「人」か「物」か、そして主語・目的語・所有格のどれかによって使い分けます。
- 人を表す関係代名詞
who(主格)
whom(目的格)
that(主格・目的格) - 物を表す関係代名詞
which(主格・目的格)
that(主格・目的格) - 所有を表す関係代名詞
whose(所有格のみ)
なお、「who」「which」「that」は主語・目的語の両方に使えますが、「whom」は目的語専用、「whose」は所有格専用です。
関係代名詞 | 先行詞 | 主格 | 目的格 | 所有格 |
---|---|---|---|---|
who | 人 | 〇 | 〇 | × |
whom | 人 | × | 〇 | × |
whose | 人・物 | × | × | 〇 |
which | 物・動物 | 〇 | 〇 | × |
that | 人・物 | 〇 | 〇 | × |
what | なし | 〇 | 〇 | × |
「what」は普通の関係代名詞と違い、先行詞が必要ありません。通常の関係代名詞(who、which、thatなど)は必ず先行詞を修飾しますが、「what」は「先行詞+関係代名詞」の役割をまとめて持ち、「~すること/もの」を一語で表します。たとえば、「What she said was true.(彼女が言ったことは本当だった)」では、「what」が「she said(彼女が言った)」全体を指し、「~のこと」という意味になります(後述)。

それぞれの関係代名詞の使い方について、例文を使って確認していきましょう。
関係代名詞の使い方
それぞれの関係代名詞の使い方を、例文とともに見ていきましょう。
who(人・主格)
「who」は、先行詞が「人」で、その人が動作の主体のときに使います。
- The boy who is playing soccer is my brother.
サッカーをしている少年は私の弟だ。(主格) - This is the man who helped me.
これが私を助けてくれた男性です。(主格) - The woman who I saw at the store is my aunt.
私が店で会った女性は私の叔母だ。(目的格)
例文では、太字が関係代名詞、下線部分が関係節です。

目的語の場合は伝統的に「whom」を使いますが、最近では「who」も使われます。
whom(人・目的格)
「whom」は、先行詞が「人」で、動作の対象(目的格)のときに使います。
- She is the person whom I met yesterday.
彼女は私が昨日会った人です。(目的格) - The man whom I met yesterday is a famous actor.
私が昨日会った男性は有名な俳優だ。(目的格)

「whom」は堅い表現なので、会話では「who」が代わりに使われます。
whose(所有格)
「whose」は、先行詞が所有しているものを説明するときに使います。
- I met a woman whose car was stolen.
私は車を盗まれた女性に会った。(人) - The man whose car was stolen is my neighbor.
車を盗まれた男は私の隣人だ。(人) - The house whose roof was damaged is very old.
屋根が壊れたその家はとても古い。(物)

「whose」は「物」にも使うことができますが、やや硬い表現になります。
which(物・動物)
「which」は、先行詞が「物」や「動物」の場合に使います。主格・目的格の両方で使えます。
- The dog which barked all night kept me awake.
一晩中吠えていた犬が私を眠れなくした。(主格) - The book which is on the table is mine.
テーブルの上にある本は私のものです。(主格) - This is the book which I borrowed.
これは私が借りた本です。(目的格) - The book which I read was interesting.
私が読んだ本は面白かった。(目的格)

日常会話では「that」がよく使われるほか、関係代名詞が省略されることもあります。
that(人・物)
「that」は、先行詞が「人」にも「物」にも使える便利な関係代名詞です。主格・目的格の両方で使えます。
- The car that is parked outside is mine.
外に停めてある車は私のものです。(主格) - He is the teacher that everyone likes.
彼はみんなが好きな先生です。(目的格) - The car that he bought is red.
彼が買った車は赤い。(目的格)
「that」は「who」や「which」の代わりとして、日常会話でよく使われます。

注意点として、「that」は制限用法でのみ使われ、カンマを伴う非制限用法では使えません(後述)。
what(事・物)
「what」は少し特殊で、先行詞を含む関係代名詞です。「the thing that ~(~すること/もの)」と同じ意味があり、先行詞を置く必要はありません。主格・目的格の両方で使えます。
- What he said was very interesting.
彼が言ったことはとても興味深かった。(主格) - What she did was amazing.
彼女がしたことはすごかった。(主格) - You can do what you like.
好きなことをしていいよ。(目的格) - I gave her what she asked for.
私は彼女が頼んだものをあげた。(目的格) - Take what you need.
必要なものだけ取って。(目的格)

関係代名詞「what」は「what + 主語 + 動詞」で名詞節を構成します。
関係代名詞の制限用法と非制限用法
関係代名詞には「制限用法」と「非制限用法」の2つの使い方があります。
制限用法(必要な情報)
制限用法は、先行詞を限定して、文の意味を特定するために使います。カンマ(,)は使いません。
- The students who studied hard passed the test.
一生懸命勉強した生徒たちがテストに合格した。 - The book that I bought is interesting.
私が買った本は面白い。
制限用法では、関係代名詞が先行詞を限定するため、どの人や物を指すのかが明確になります。
非制限用法(追加情報)
非制限用法は、先行詞に補足的な情報を加えるときに使います。カンマ(,)で区切られ、「that」は使えません。
- My brother, who lives in Tokyo, is a doctor.
東京に住んでいる私の兄は医者です。 - My sister, who works at a hospital, loves her job.
病院で働いている私の姉は、自分の仕事が大好きです。 - This car, which was made in Germany, is very reliable.
この車はドイツ製で、とても信頼性があります。
非制限用法では、カンマで囲んだ関係節が先行詞に追加情報を与えます。取り除いても文の主な意味は変わらないのが特徴です。

つまり、カンマがある場合はおまけの情報を表しています。
- 制限用法 (restrictive relative clause)
先行詞を特定する必須情報を加える。
カンマなし。
すべての関係代名詞(that, who, which…)が可 - 非制限用法 (non-restrictive relative clause)
先行詞に補足情報を加える(除外可)。
カンマで囲む。
that は不可、who, which などを使用。
関係代名詞の省略について
関係代名詞が目的語のときは省略できます。
- The book (which) I borrowed was interesting.
私が借りた本は面白かった。
一方、主語のときは省略できません。
- The girl who is singing is my sister.(省略不可)
歌っている女の子は私の妹です。

理由は簡単で、主語を省略すると意味が分かりにくいからです。
関係代名詞と接続詞の違い
関係代名詞は、接続詞のように節をつなぐ働きがありますが、つなぐ対象と役割が異なります。
接続詞は「文」と「文」をつなぐ言葉です。
- I was tired, so I went to bed early.
私は疲れていたので、早く寝た
関係代名詞は「名詞」と「その名詞を説明する節」をつなぎます。
- I met a girl who can speak French.
私はフランス語が話せる女の子に会った
関係代名詞は、先に出てきた名詞である「先行詞」の代わりになりながら、その名詞を説明する「関係節」を導きます。そのため、文法上は「代名詞」に分類されます。
また、関係代名詞は「関係詞」の一種でもあります。関係詞は、先行詞を修飾し、追加情報を与える品詞のことで、次の2つに分類されます。
- 関係代名詞(relative pronoun)
who, which, that など - 関係副詞(relative adverb)
when, where, why など

今回は、このうち「関係代名詞」について解説しています。
まとめ
この記事では、関係代名詞の意味と使い方について解説しました。
関係代名詞とは、先行する名詞(先行詞)と、その名詞を説明する節(関係節)をつなぐ代名詞です。2つの節をつなぎ、文を詳しく滑らかにする役割があります。代表的な関係代名詞には「who」「which」「that」などがあり、それぞれの使い分けや文法上の注意点(省略できる場合・できない場合など)を理解することで、英語力が飛躍的に向上します。文脈に応じた適切な関係代名詞を選び、英語の理解力や表現力を高めていきましょう。