状態動詞(stative verb)とは、動作ではなく「状態」や「感情」などを表す動詞のことです。英語では、状態動詞は進行形(-ing形)にならないので注意が必要です。この記事では、状態動詞の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
状態動詞とは何か?
状態動詞(stative verb)とは、動作ではなく「状態・感情・認識・所有」などを表す動詞のことです。基本的に、進行形(-ing形)にならないのが特徴です。
たとえば、以下のような動詞が状態動詞に分類されます。
- 状態を表す:be(〜である)、seem(〜にみえる)
- 感情を表す:like(好き)、love(愛する)
- 感覚を表す:see(見える)、hear(聞こえる)
- 認識を表す:know(知っている)、understand(理解する)
- 所有を表す:have(持っている)、own(所有する)

状態動詞は、一時的な動作ではなく、継続的な状態を表すことがポイントです。

状態動詞の使い方や特徴とは
状態動詞の使い方や特徴について解説します。
① 状態動詞は進行形にならない
状態動詞は、基本的に進行形(ing形)にはなりません。状態動詞は一時的な動作を表すものではないからです。
- 誤)I am knowing the answer.(✖)
- 正)I know the answer.(✔)
- 誤)She is having a car.(✖)
- 正)She has a car.(✔)

状態動詞が進行形にならない理由は、状態というのが一時的ではなく継続的なものだからです。
② 状態動詞と動作動詞の違い
状態動詞と対照になるのが「動作動詞(action verb)」です。文字通り、状態動詞は「状態」を表し、動作動詞は「動作」を表します。また、動作動詞は進行形にすることができます。
- 状態動詞
状態や感情を表す。進行形にならない。 - 動作動詞
動作や行動を表す。進行形になる。

間違いやすい状態動詞と動作動詞の例をいくつか見てみましょう。
see(見える)- watch(見る)
英語では、自然に見える「see」は状態動詞、意識的に見る「watch」は動作動詞になります。
- I see a bird in the sky.
空に鳥が見える。(状態動詞) - I am watching a movie.
私は映画を見ている。(動作動詞)
hear(聞こえる)- listen(聴く)
自然に聞こえる「hear」は状態動詞、意識的に聴く「liten」は動作動詞の扱いになります。
- I hear music from the next room.
隣の部屋から音楽が聞こえる。(状態動詞) - She is listening to music.
彼女は音楽を聴いている。(動作動詞)

③ 状態動詞が進行形になる場合
一部の動詞は状態動詞にも動作動詞にもなります。そのため、進行形になることもあります。
have(持っている)- have(食べる)
所有を表す「have(持っている)」は状態動詞ですが、「食べる」を意味する「have(食べる)」の場合は動作動詞になります。
- have(持っている)→ 進行形不可
正)I have a dog.(犬を飼っている)
誤)I am having a dog.(✖) - have(食べる)→ 進行形OK
正)I am having lunch.(ランチを食べている)

「have(持つ)」は所有なので進行形にはなりませんが、「have(食べる)」は動作なので進行形になります。
see(見える)- see(会う)
視覚的に見える「see」は状態動詞ですが、意図的に「see(会う)」という意味の場合は動作動詞になります。
- see(見える)→ 進行形不可
正)I see a bird. (鳥が見える。)
誤)I am seeing a bird.(✖) - see(会う)→ 進行形OK
正)I am seeing my friend tomorrow.(明日は友達に会う予定だ。)

「see(見える)」は進行形にはなりませんが、「see(会う)」は進行形になります。
think(思う)- think(考える)
考えを持っている「think(思う)」は状態動詞ですが、意識的に「think(考える)」という意味の場合は動作動詞になります。
- think(〜だと思う)→ 進行形不可
正)I think he is right.(彼が正しいと思う)
誤)I am thinking he is right.(✖) - think(考える) → 進行形OK
正)I am thinking about my future.(将来について考えている)

このように、状態動詞と動作動詞の両方になる動詞もたくさんあります。
よく使われる状態動詞の例
よく使われる状態動詞の例を紹介します。
No. | 単語 | 例文 |
---|---|---|
1 | be である |
She is a teacher. 彼女は教師です。 |
2 | have 持っている |
I have a car. 私は車を持っています。 |
3 | know 知っている |
I know her. 私は彼女を知っています。 |
4 | like 好き |
I like chocolate. 私はチョコレートが好きです。 |
5 | love 愛する |
I love my family. 私は家族を愛しています。 |
6 | want 欲しい |
I want a new phone. 新しい携帯が欲しいです。 |
7 | need 必要とする |
I need a break. 休憩が必要です。 |
8 | think 思う、×考える |
I think you’re right. あなたが正しいと思います。 |
9 | feel 感じる、×触る |
I feel happy. 私は幸せを感じます。 |
10 | see 見える、わかる、×会う |
I see a bird in the tree. 木に鳥がいるのが見えます。 |
そのほかのよく使われる状態動詞は、以下の記事で例文と一緒に紹介してます。

前述しましたが、状態動詞と動作動詞の両方の意味を持つ動詞もあるので、注意が必要です。
たとえば、「feel」は「感じる」という意味では状態動詞ですが、「触る」という意味では動作動詞になります。そのほかにも、「see」は「見える」なら状態動詞、「会う」なら動作動詞になります。自動詞と他動詞の両方の使い方をする動詞がいくつもあるように、状態動詞と動作動詞を完全に分類することも困難です。

継続的な状態なら「状態動詞」、一時的な動作なら「動作動詞」になることを押さえておきましょう。
まとめ
この記事では、状態動詞の意味や使い方について解説しました。
状態動詞とは、動作ではなく「状態・感情・認識・所有」などを表す動詞のことです。基本的に、進行形(-ing形)になりません。ただ、動詞によっては進行形になることもあるので注意が必要です。英語を学ぶ際には、状態動詞と動作動詞の違いを意識して学習してみてください。