英語学習者を悩ませる単語の一つ「as」。辞書を引くと「〜として」「〜なので」「〜しながら」など、無数の日本語訳が並んでいます。しかし、その根底にある一つの「コアイメージ」を掴むと、この単語が持つ見事な使い勝手の良さが見えてきます。
「as」のコアイメージはずばり「イコール(=)」または「同時性」です。例えば、前置詞としての「work as a teacher(教師として働く)」という場合、「その人=教師」という完全な等式の関係が成り立っています。似た表現の「like」と比較するとその違いは明確です。「work like a robot(ロボットのように働く)」は、「その人=ロボット」ではありませんよね。「as」は全く同じもの、現実の役割をピタリと重ね合わせる性質を持っています。
この「イコール」の感覚は、接続詞として時間が絡む文でも同じです。「As I was walking…(歩いていた時)」は、「歩いている状態」と「別の出来事」が同時に(イコールで)起きていることを表します。また、「As time goes by(時間が経つにつれて)」のように、Aが変化するのと同じペースでBも変化する、という比例や推移を表す際にも大活躍します。
理由を表す「as」も日常的に使われます。ただし、「because」が新情報として「なぜなら!」と強い理由を伝えるのに対し、「as」は「〜なのだから(ご存知の通り)」という、相手もすでに知っているような軽い前提を置く時に好まれます。状況と結果を「イコール」で自然に繋ぐ、控えめな役割を果たします。
日常会話やビジネスで欠かせない慣用句にも「as」は溢れています。よく使われる「ASAP」は「as soon as possible(できるだけ早く)」の略語ですが、これも「可能な状態(possible)」と「早さ(soon)」を限界までイコールにする、という意味合いが込められています。
このように、前置詞、接続詞、副詞など様々な顔を持つ「as」ですが、その正体は常に「何かと何かを同じ重さで天秤にかける」バランサーのような存在です。複雑に見える多様な意味も、この「イコール」の感覚を意識することで、英語ならではの論理的な世界をよりクリアに捉えることができるのではないでしょうか。
