日本語の「癖」は、よくも悪くも「いつのまにか身についた習慣」や「人の特徴的な動き・言葉遣い」を指します。英語では「habit(ハビット)」や「quirk(クワーク)」「mannerism(マナリズム)」など、場面によって使い分ける必要があります。
いちばん基本的なのは「habit」です。「a good habit(良い癖・習慣)」や「a bad habit(悪い癖)」という形で使います。たとえば「biting your nails is a bad habit(爪を噛むのは悪い癖だ)」のように、繰り返す行動に対してよく使われます。ちなみに「break a habit」で「癖をやめる」、「form a habit」で「癖をつける」という意味になります。
一方、「habit」は日常的な行動に使われることが多いですが、もう少し個性的で特徴的な癖、たとえば「話すときに首をかしげる」「笑うときに手で口を隠す」といったものは、「mannerism」や「quirk」という言葉がぴったりです。「She has a cute little quirk of tilting her head when she’s thinking.(彼女は考えるときに首をかしげるかわいい癖がある)」というように、性格や仕草の特徴を表すときに使われます。
また、「口癖」は英語で「catchphrase」や「favorite phrase」とも言えますが、日常会話では「He always says ‘you know’. It’s his habit.(彼はいつも「you know」って言うんだ。あれは彼の癖だね)」のように表現することもあります。
さらに、体の動きに出る無意識の癖を指すときは「tic(チック)」という単語もあります。医学的・心理的な意味合いが強く、たとえば「nervous tic(緊張からくる癖)」のように使われます。
このように「癖」は英語で一言では言い表せず、「habit」「mannerism」「quirk」「tic」など、文脈に応じて使い分けるのが自然です。人の癖はその人らしさを映す鏡でもあります。英語で自分や他人の「癖」を表現してみると、意外と新しい一面が見えてくるかもしれませんね。
