不可算名詞(uncountable noun)とは、数えることができない名詞のことで、主に液体・気体・抽象的な概念などを指します。不可算名詞を使うときは、冠詞や数量詞のルールが異なるため、正しく理解することが大切です。この記事では、不可算名詞の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
不可算名詞とは何か?
不可算名詞(uncountable noun)とは、数えることができない名詞のことです。たとえば、以下のようなものが不可算名詞に分類されます。
- 液体:water(水)、milk(牛乳)、coffee(コーヒー)
- 気体:air(空気)、oxygen(酸素)、smoke(煙)
- 粒子:rice(米)、sugar(砂糖)、flour(小麦粉)
- 抽象:happiness(幸福)、love(愛)、advice(助言)
- 学問: art(芸術)、science(科学)、education(教育)
- 物質:gold(金)、wood(木材)、plastic(プラスチック)

どれも物理的・概念的に数えることが難しそうなイメージですね。
不可算名詞は単数形のみを持ち、通常「a」や「an」のような不定冠詞を付けることができません。また、「many」や「a few」ではなく、「much」や「a little」などの数量詞を使って量を表します。対義語は、可算名詞(countable noun)です。
不可算名詞の使い方やルール
不可算名詞には、いくつかの基本的なルールがあります。
① 不可算名詞には「a / an」を使わない
不可算名詞は不定冠詞の「a / an」をつけることができません。
- 誤)I have a water.(✖)
- 正)I have some water.(✔)
- 誤)She gave me an advice.(✖)
- 正)She gave me some advice.(✔)

「a / an」には「ひとつの」という意味があるため可算名詞にのみ使います。
② 数えるときは「量を表す表現」を使う
不可算名詞は単独では数えられないため、「a piece of(1つの)」「a glass of(コップ1杯の)」などの表現を使って量を示します。
- a glass of milk(コップ1杯の牛乳)
- a piece of advice(1つの助言)
- a bag of rice(1袋の米)

このような「量のまとまり」をひとつの「可算単位」として扱っています。
③ 不可算名詞には「複数形」がない
不可算名詞は数えられないため、基本的に「-s」を付けて複数形にすることはできません。
- 誤)She gave me many informations.(✖)
- 正)She gave me a lot of information.(✔)

不可算名詞は「個数」ではなく「物質や概念そのもの」を表すからです。
④ 「much / a little / some」を使う
不可算名詞の数量を表すときは、「much(たくさんの)」「a little(少しの)」「some(いくつかの)」などの数量詞を使います。
- We don’t have much time.
私たちにはあまり時間がない。 - There is a little milk left.
牛乳が少し残っている。 - There is little sugar left.
砂糖はほとんど残っていない。 - There is some water in the bottle.
ボトルの中に少し水がある。

数量詞については以下の記事でまとめています。

不可算名詞に見えて可算名詞になるケース
一部の不可算名詞は、状況によって可算名詞として使われることがあります。
① 異なる種類を指すとき
不可算名詞であっても、「種類」や「カテゴリー」を指す場合は可算名詞として使われることがあります。
- We offer different coffees from around the world.
私たちは世界中の異なる種類のコーヒーを提供しています。 - There are many cheeses in France.
フランスにはたくさんの種類のチーズがある。

つまり、品種・ブランドを「単位化」しているので、可算扱いになります。
② 具体的な単位を指すとき
不可算名詞であっても、特定の単位(カップ、袋、種類)を指す場合は可算名詞として扱われることがあります。
- Can I have two waters?
水を2つください。
→「2杯の水」という意味 - I ordered three beers.
私はビールを3つ注文した。
→「3杯のビール」という意味

このような表現はカジュアルな場面やレストランで使われます。
不可算名詞に注意が必要な単語
英語では、日本語の感覚では「数えられる」と思ってしまう単語が、実は不可算名詞であることがよくあります。以下のような単語に注意しましょう。
- information(情報)
誤)an information(✖)
正)a piece of information(✔) - advice(助言)
誤)an advice(✖)
正)some advice(✔)
正)a piece of advice(✔) - furniture(家具)
誤)a furniture(✖)
正)a piece of furniture(✔) - news(ニュース)
誤)a news(✖)
正)some news(✔)

どれも英語試験によく出る間違いです。
まとめ
この記事では、不可算名詞の意味と使い方について解説しました。
不可算名詞とは、数えることができない名詞で、液体・気体・抽象的な概念などが含まれます。不可算名詞には「a / an」をつけることができず、複数形も存在しません。量を表すときは「some / much / little」などを使います。また、「a piece of」「a cup of」などの表現を使うことで、具体的な量を示すことができます。可算名詞と不可算名詞の違いは文法問題などで頻出なので、適切に使い分けるようにしましょう。