「arm」と聞くと、多くの人はまず「腕」を思い浮かべると思います。たとえば「My arm hurts.」なら「腕が痛い」という意味ですね。ここまではシンプルですが、実は「arm」や「arms」にはもう少し広がりのある意味があります。
まず単純に複数形の「arms」は「両腕」を指します。「He crossed his arms.」といえば「彼は腕を組んだ」という意味。体の一部としての「腕」ならそのまま分かりやすいですね。
でも「arms」にはもうひとつ重要な意味があって、それは「武器」です。たとえば「bear arms」といえば「武器を持つ」という意味で、アメリカの憲法にも登場する有名な表現です。「small arms」は「小火器」、つまり銃などを指します。まったく違う意味ですが、語源は「武器は戦いで体を伸ばして使う腕の延長だ」という考え方から来ているといわれています。
さらに、「arm」には「組織の一部」「部門」という意味もあります。「the arm of a company」といえば「会社の部門」や「系列」といったニュアンス。人間の体の「腕」が全体の一部であることから比喩的に広がった使い方です。
面白いことに「to arm」という動詞もあって、これは「武装させる」という意味です。「They armed themselves.」なら「彼らは武装した」ということになります。
まとめると、「arm」は体の腕だけでなく、比喩的に「部門」を表すことがあり、「arms」は複数の腕か、あるいは「武器」を意味します。身近な単語なのに奥深い広がりを持っているのが英語のユニークなところですね。