集合名詞(collective noun)とは、複数の集まりを1つの単位として表す名詞のことです。単数にも複数にもなるので、文法的にも注意が必要です。この記事では、集合名詞の意味や使い方をわかりやすく解説します。
基本品詞10
名詞|動詞|形容詞|副詞|代名詞|助動詞|前置詞|冠詞|接続詞|間投詞
その他
自動詞|他動詞|本動詞|規則動詞|不規則動詞|動作動詞|状態動詞|句動詞|可算名詞|不可算名詞|動名詞|固有名詞|普通名詞|集合名詞|物質名詞|抽象名詞|具体名詞|複合名詞|質量名詞|不規則複数名詞|定冠詞|不定冠詞|無冠詞|不定詞|関係詞|疑問詞|否定形|数詞|基数詞|序数詞|数量詞|接頭辞|接尾辞|接辞|語根|語幹
集合名詞とは何か?
集合名詞(collective noun)とは、人や物の集まりを1つの単位として扱う名詞です。たとえば、以下のような名詞が集合名詞にあたります。
- family(家族)
- team(チーム)
- group(グループ)
- herd(群れ)
- bunch(束)
集合名詞には、「family」や「team」のような普通名詞だけでなく、「herd(群れ)」や「bunch(束)」のような、動物や物のまとまりを表す名詞も含まれます。また、「Google」や「Apple」などの組織全体を指す固有名詞を含むこともあります。

集合名詞は、複数で構成されていても、「1つのまとまり」として扱われるのが特徴です。

集合名詞の使い方と注意点
集合名詞は、アメリカ英語とイギリス英語で扱いが異なります。それぞれの違いや注意点をみてみましょう。
アメリカ英語では単数
アメリカ英語では、集合名詞は基本的に単数になります。動詞も単数形を使います。
- The team is winning the game.
そのチームは試合に勝っている。 - My family lives in New York.
私の家族はニューヨークに住んでいる。

複数扱いになることもありますが、アメリカ英語では稀です。
イギリス英語では単数または複数
イギリス英語では、集合名詞は単数にも複数にもなります。「グループを1つの単位」として捉える場合は単数、「グループの中の1つ1つ」に注目する場合は複数になります。
- The committee is meeting today.
委員会は今日会合を開いている。 - The committee are divided on the issue.
委員会はその問題について意見が分かれている。 - Manchester United are playing well this season.
マンチェスター・ユナイテッドは今シーズン好調だ。
1つ目の文では、委員会をひとつのグループとして捉えているので、単数扱いになり、「is」が使われています。2つ目の文では、委員会の個々のメンバーが別々に意見を持っていることを強調しているので、複数扱いになり、「are」が使われています。

アメリカ英語では基本的に単数、イギリス英語では文脈によって使い分けます。
集合名詞は単数にも複数にもなる
アメリカ英語とイギリス英語の違いについて解説しましたが、重要なのは、集合名詞は文脈によって単数にも複数にもなるという点です。集合名詞はもともと複数の人や物から成り立っていますが、「ひとつのまとまり」としてみれば単数になります。逆に、「集団の個々のメンバー」に注目すると複数になります。
例文を使って比較してみましょう。
- My family is large.
私の家族は大所帯だ。 - My family are all very close.
私の家族はみんな仲良しです。
1つ目の文のように、「家族全体」を指す場合は単数扱いになります。2つ目の文のように、「家族の構成員」に注目する場合は複数扱いになります。
これは固有名詞の場合も同様です。Googleを例にしてみると、企業や組織を指す場合は単数の「Google is … 」を、働く人々やサービスを指す場合は複数の「Google are …」を使います。

「全体を1つ」とする場合は単数、「全体の1つ1つ」に注目する場合は複数扱いです。
よく使われる集合名詞
集合名詞は「人」「動物」「物」の3つに分類することができます。それぞれよく使われる集合名詞をみていきましょう。
人を表す集合名詞
人を表す集合名詞には、以下のようなものがあります。
- team(チーム)
- family(家族)
- army(軍)
- class(学級)
- staff(職員)
- audience(聴衆)
- crowd(群衆)
これらの集合名詞は単数形でも複数の人々を表すため、文法的に注意が必要です。たとえば、「The team is winning.(そのチームは勝っている)」のように、グループ全体を単数として扱うことが多いです。
動物を表す集合名詞
動物を表す集合名詞には、以下のようなものがあります。
- herd(牛・羊の群れ)
- flock(鳥・羊の群れ)
- pride(ライオンの群れ)
- pack(オオカミ・犬の群れ)
- swarm(昆虫の群れ)
- school(魚の群れ)
- colony(アリなどのコロニー)
動物の集合名詞は、特定の動物にだけ使われることが多いです。たとえば、「pride of lions(ライオンの群れ)」や「school of fish(魚の群れ)」など、普段あまり聞かない表現もあります。
物を表す集合名詞
物を表す集合名詞には、以下のようなものがあります。
- bunch(束、房)
- collection(収集品)
- series(シリーズ)
- set(セット)
- heap(山・堆積)
- stack(山・堆積)
- fleet(船や乗り物)
物の集合名詞は、物の性質や用途によって使い分けます。たとえば、「stack of papers(書類の山)」や「bunch of keys(鍵の束)」、「fleet of ships(艦隊)」など、具体的な名詞とセットで使われます。

そのほかのよく使われる集合名詞は、以下のページで例文と一緒に紹介しています。

集合名詞の文法的分類
集合名詞は、単数なのか複数なのかによっても文法的に分類できます。
ただし、英語圏では一般的にこの分類方法は用いられず、通常は指示対象(人、動物、物)に基づいて分類されるため、あくまで参考としてご覧ください。
family型:単数と複数の両方
「family」などの集合名詞は、単数と複数どちらでも扱います。このタイプは「family型」と呼ばれます。
- My family is large.
私の家族は大所帯だ。 - My family are all very close.
私の家族はみんな仲良しです。
全体を1つのまとまりとする場合は単数、全体の1人1人に注目する場合は複数になります。
「family型」の集合名詞には以下のような例があります。
- family(家族)
- audience(聴衆)
- public(大衆)
- team(チーム)
- staff(スタッフ)
- class(クラス)

「family型」は、個々に数えることができるので、常に可算名詞です。
furniture型:常に単数
「furniture」などの集合名詞は、単数で扱われます。このタイプは「furniture型」と呼ばれます。
- The furniture is made of wood.
その家具は木で作られている。
家具は形があるので数えられそうですが、机や椅子などを含めた「家具全般」を指す集合体なので、複数形や不定冠詞は使われません。
「furniture型」の集合名詞には以下のような例があります。
- furniture(家具)
- clothing(衣類)
- furniture(家具)
- baggage(荷物)
- jewelry(宝石類)

「furniture型」は、集合的なまとまりを表すため、常に不可算名詞です。
police型:常に複数
「police」などの集合名詞は、常に複数で扱われます。このタイプは「police型」もしくは「pluralia tantum(絶対複数)」と呼ばれます。
- The police are investigating the traffic accident.
警察はその交通事故を調査中です。
「police」は、「a police officer(警察官)」の集合体とみなされるため、複数扱いになります。
「police型」の集合名詞には以下のような例があります。
- police(警察)
- cattle(畜牛)
- people(人々)*集合名詞に含めない場合も多い

英語圏では「people」は単なる複数形の名詞とされていて、集合名詞には含めないことが多いです。
※「furniture」や「police」が集合名詞かどうかについては賛否あります。狭義の集合名詞は「単数にみえるが、人や物など複数の集まりを表す名詞」のことを指すため、単数もしくは複数でしか扱われない「furniture」や「police」などは、集合名詞に含まれないと考える意見もあるからです。
まとめ
この記事では、集合名詞の意味や使い方について解説しました。
集合名詞とは、複数の人や物を1つのグループとして表す名詞のことです。集合名詞は1つの集まりなので一般的に単数扱いですが、文脈によっては複数としても扱われます。話される国によっても捉え方は異なり、アメリカ英語では基本的に単数扱い、イギリス英語では文脈によって単数・複数を使い分けます。集合名詞は文法上の扱いが複雑なため、各種試験の文法問題に頻出するので、要点をしっかり押さえておきましょう。
基本品詞10
名詞|動詞|形容詞|副詞|代名詞|助動詞|前置詞|冠詞|接続詞|間投詞
その他
自動詞|他動詞|本動詞|規則動詞|不規則動詞|動作動詞|状態動詞|句動詞|可算名詞|不可算名詞|動名詞|固有名詞|普通名詞|集合名詞|物質名詞|抽象名詞|具体名詞|複合名詞|質量名詞|不規則複数名詞|定冠詞|不定冠詞|無冠詞|不定詞|関係詞|疑問詞|否定形|数詞|基数詞|序数詞|数量詞|接頭辞|接尾辞|接辞|語根|語幹
