不規則複数名詞(irregular plural noun)とは、通常の「-s」や「-es」を使わずに、特別な形で複数形になる名詞のことです。名詞にも不規則な変化をするものがあるので、個別に暗記する必要があります。この記事では、不規則複数名詞の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
不規則複数名詞とは何か?
不規則複数名詞(irregular plural noun)とは、複数形の形が大きく変わる名詞のことです。普通の名詞の複数形は「-s」や「-es」をつけますが、このような通常のパターンに従わないのが特徴です。たとえば、「child(子ども)」の複数形は「children」で、「childs」とはなりません。
不規則な複数形になる名詞には、次のようなものがあります。
- man → men(男)
- woman → women(女)
- child → children(子ども)
- mouse → mice(ネズミ)
- tooth → teeth(歯)
- foot → feet(足)
これらの名詞は、語尾もしくは母音が変わることが多いです。

不規則複数名詞は個別に覚える必要があるので注意が必要です。
不規則複数名詞の主なパターン
不規則複数名詞にも代表的なパターンがあります。
母音が変わるタイプ
単語の真ん中にある母音が変わって、複数形になる名詞です。
- man → men(男)
- woman → women(女)
- foot → feet(足)
- tooth → teeth(歯)
- goose → geese(ガチョウ)

母音の変化に気をつけましょう。
全体の形が変わるタイプ
語尾が大きく変わるか、単語全体の形が変わるタイプの複数形です。
- child → children(子ども)
- person → people(人)
- mouse → mice(ネズミ)

単語自体が変わってしまうので、特に注意しましょう。
単複同形のタイプ
単数形と複数形がまったく同じ形になる名詞もあります。
- sheep → sheep(ヒツジ)
- deer → deer(シカ)
- fish → fish(魚)

「種類」を言いたいときは複数形(fishesなど)にすることもあります。
語尾が変わるパターン
名詞の語尾が変化するパターンです。
①「-f, -fe」→「-ves」
「-f」または「-fe」で終わる名詞の多くは、語尾を「-ves」に変えることで複数形になります。
- life → lives(命)
- wife → wives(妻)
- knife → knives(ナイフ)
- leaf → leaves(葉)
- wolf → wolves(狼)
- calf → calves(子牛)

「f」または「fe」の音の直後に「s」が続くと発音が難しいためです。
② ラテン語・ギリシャ語由来の単語
ラテン語やギリシャ語由来の名詞の中には、複数形になると語尾が変わるものがあります。
- basis → bases(基礎)
- crisis → crises(危機)
- analysis → analyses(分析)
- criterion → criteria(基準)
- phenomenon → phenomena(現象)
- cactus → cacti(サボテン)
- fungus → fungi(菌類、カビ)
- nucleus → nuclei(核)
- datum → data(データ)※通常はdataが複数形
- bacterium → bacteria(細菌)
これらの単語は元の言語の規則に従って変化しています。「crisis → crises」や「basis → bases」のように法則性もありますが、数は限られています。そのため、細かなルールにこだわらず、単語ごとに複数形を覚えるのがおすすめです。
よく使われる不規則複数名詞の例
よく使われる不規則複数名詞の一覧です。
単数形 | 複数形 | 意味 |
---|---|---|
child | children | 子ども |
man | men | 男 |
woman | women | 女 |
tooth | teeth | 歯 |
foot | feet | 足 |
mouse | mice | ネズミ |
goose | geese | ガチョウ |
person | people | 人 |
leaf | leaves | 葉 |
knife | knives | ナイフ |
wife | wives | 妻 |
life | lives | 命・生活 |
loaf | loaves | パンの塊 |
elf | elves | 妖精 |
calf | calves | 子牛 |
shelf | shelves | 棚 |
cactus | cacti | サボテン |
focus | foci | 焦点 |
fungus | fungi | 菌類、カビ |
nucleus | nuclei | 核 |
syllabus | syllabi | 講義要綱 |
analysis | analyses | 分析 |
diagnosis | diagnoses | 診断 |
oasis | oases | オアシス |
thesis | theses | 論文 |
crisis | crises | 危機 |
phenomenon | phenomena | 現象 |
criterion | criteria | 基準 |
不規則複数名詞の使い方や注意点
不規則複数名詞も、通常の複数名詞と同様、動詞と主語の一致に注意が必要です。
- 正)The child is playing.(✔)
- 正)The children are playing.(✔)
- 誤)The childs are playing.(✖)
→ childの複数形はchildrenなので間違い。
- 正)This foot hurts.(✔)
- 正)Both feet hurt.(✔)
- 誤)Both foot hurts.(✖)
→ footは単数形なので間違い。
そのほかの注意点として、「person」の複数形は通常「people」ですが、正式な場面では「persons」となることもあります。
まとめ
この記事では、不規則複数名詞の意味と使い方について解説しました。
不規則複数名詞とは、一般的な「-s」「-es」ではなく、特別な形で複数形になる名詞のことです。「man → men」や「child → children」など、個別に覚えるしかないパターンが多いため、繰り返し使って慣れていくことが大切です。英語の語彙力を高めるために、不規則な複数形も意識して学んでいきましょう。