今回のフレーズは「Might makes right」です。
「Might makes right」は、日本語にすると「力こそ正義」という意味になります。
このフレーズは文字通り、力がある者が正義やルールを決めることを表現しています。日本語の「勝てば官軍」と同じ意味を伝えています。
例えば、権力者が恣意的に法律を変えたときに「The dictator changed the laws to suit his needs, proving that might makes right.(独裁者が自分の都合に合わせて法律を変え、力が正義を決めることを証明した)」と言うことができます。また、国際関係で大国が小国を支配する場合に、「In international politics, might often makes right.(国際政治において、力が正義を決めることがしばしばある)」と言うこともできます。
このフレーズの由来は、強者や勝者の支配が正当化されてきた歴史的な背景に基づいています。具体的な起源についてみてみると、紀元前8世紀頃の古代ギリシャの哲学者ホメロスやヘーシオドスにまで遡ることができます。ローマの歴史家ティトゥス・リウィウス(紀元前59年~後17年)は、ラテン語で「vae victis(征服された者に災いあれ)」という言葉を残しており、これは「敗者は寛大な措置を期待してはならない」という無慈悲な現実を伝えています。英語の「Might makes right(力こそ正義)」というフレーズは19世紀後半に現れ、弱い者が淘汰される自然の摂理を象徴する言葉として広く使われるようになりました。「makes」の代わりに「is」を使った「Might is right」と表現することもあります。
まとめると、「Might makes right」は、文字通り「力が正義を作る」という意味ですが、強い者が正しいとされることを指します。このフレーズを使うことで、力や権力が正義を決める状況を表現することができます。
この「Might makes right」を使って、力や権力の影響について議論する場面で活用してみてください。
実際の発音もチェックしてみてください
力こそ正義。
このシリーズでは、さまざまなことわざ・格言・慣用句・イディオムなどを紹介して解説しています。