夜空に光り輝く星は、大昔から人々にさまざまな影響を与えてきました。
例えば、海の暗闇を照らす星々は、世界中の航海を導き、船乗りはその光を頼りに、自分たちの位置や方角を定めていました。天体を利用した航海術は、天測航法(celestial navigation)と呼ばれています。現在では衛星航法(satellite navigation)の発達によって、天測航法は補助的なものになりつつありますが、自然にせよ人工にせよ、星が利用されていることに変わりありませんね。
現代の都会でも目視できるオリオン座は、古代の人にとって貴重な目印だったといわれています。星座は5000年以上前から存在し、古くから宗教や神話と結びついてきました。大航海時代以降、星の識別を容易にするために、数多の星座が考案されましたが、現在では88の星座に統一されています。
もちろん、太陽や月のような恒星や衛星も、私たちにとって不可欠な存在です。太陽の光は私たちの免疫システムに欠かせないビタミンDの生成を助け、体内時計を調整します。また、月は人々の行動や生理機能に影響を与えるとも言われています。
星の輝きは、文化や生活だけでなく、思考や表現にも深いインスピレーションを与えてきました。その結果、さまざまな表現やことわざが、現在でも日常的に用いられています。
参考 星に関する英語のイディオム一覧
参考 星 (star) の象徴・意味一覧
よく使われる英語のイディオムのひとつに「see stars」があります。これは「目から火が出る」ことを意味します。頭をぶつけて目がチカチカしたり、星のような光が見えたりすることに由来しています。漫画やアニメなどでも、よく頭のまわりに星がクルクルまわっているシーンがありますよね。
もうひとつ面白い慣用句に「the stars align」というものがあります。これは「状況や見通しがとても良い」ことを表します。 古来から占星術では、星が一列に並ぶと幸運が訪れると信じられていたことに由来します。星の位置が人の運命や運勢に影響を与えると考えられていたんですね。占星術は科学的に証明されたものではありませんが、現在でも星座占いのような形で残っています。
人々にとって星は密接なつながりがあり、文化や信仰、生活から言語に至るまで、その存在は常に人々の心に刻まれています。星のイディオムからも、人と星の強いつながりを感じ取ることができますね。