怒りを表すangry about, angry at, angry withは、どれも同じような意味なので、どの前置詞を使うのか困りますよね。日本語ではどれも「〜に怒っている」と訳されますが、それぞれの意味や使い方には、微妙な違いがあります。
angry about/at/withの最も異なる点は、怒りの対象です。
それぞれ例文を使って見ていきたいと思います。
angry aboutの使い方
angry aboutは、状況に対して怒っているときに使います。例えば、以下のような例文があげられます。
- I’m so angry about this situation.
私はこの状況にとても腹が立っている。 - He was angry about the traffic.
彼は渋滞に怒っていた。 - She was angry about the delay.
彼女は遅延に対して怒っていた。 - She’s really angry about the company’s decision.
彼女は会社の決定に本当に怒っている。 - I’m angry about what you said.
私はあなたの言ったことに怒っている。
angry withの使い方
angry withは、誰かに対して怒っているときに使います。例えば、以下のような例文があげられます。
- I’m angry with you.
私はあなたに怒っている。 - He got angry with us.
彼は私たちに腹を立てた。 - She was angry with her boss for not giving her a raise.
彼女は昇給してくれない上司に腹を立てていた。 - He was angry with his girlfriend for canceling their plans.
彼は予定をキャンセルしたガールフレンドに腹を立てていた。 - The coach was angry with the team for losing the game.
コーチは試合に負けたチームに腹を立てていた。
angry atの使い方
angry atは、特定の出来事や無生物に対して怒っているときに使います。人に対する怒りにも使いますが、その場合はangry withのほうが一般的です。
- He was angry at her words.
彼は彼女の言葉に腹を立てた。 - He’s angry at the rain for ruining his plans.
彼は計画を台無しにした雨にいら立っている。 - I’m angry at the airline for losing my luggage.
私は荷物をなくした航空会社に腹が立っている。 - I’m angry at myself for making such a mistake.
私はそんな失敗をした自分に怒っている。 - He’s angry at his friend for lying to him.
彼は嘘をついた友人に怒っている。
angry about/at/withの違い
angry about/at/withの違いをまとめると、以下のようになります。
- angry at
出来事や人に対する怒りを表す - angry with
人や人の行為に対する怒りを表す - angry about
ある状況に対する怒りを表す
参照:“Angry AT vs. Angry WITH – Easy Preposition Guide” Grammarhow.com
参照:“Angry At or Angry With, Which Is Correct? Answered” Bscholarly
状況や文脈によって、どの前置詞を使うかが決まります。ただ、どれも「怒り」を表す言葉であることには変わりなく、相互に互換性があります。つまり、angry withの代わりにangry atが使われることもあります。
それぞれの意味の違いを覚えるには、前置詞のイメージからアプローチすると分かりやすいです。大西泰斗先生の『一億人の英文法』によれば、atは「点」、withは「一緒、つながり」、aboutは「まわり」というイメージを持っています。今回紹介したangryの意味とも一致していますよね。
どれが最も一般的か?
Google Ngram Viewerによれば、最も一般的に使われるのはangry withです。
angry about/at/withの使用頻度
上のグラフは、angry about/at/withの使用件数を示したグラフです。圧倒的にangry withの使用率が高いですね。
人は「出来事」や「状況」にではなく、「人」に対して最も腹を立てているということでしょうか。
まとめ
まとめると、angry about/at/withは、どれもほぼ同じような意味と使い方を持っていますが、微妙な違いがあります。
基本的に、状況に対してはangry aboutを、人に対してはangry withを、特定の出来事や人に対してはangry atを使います。
状況や文脈によって、どの前置詞を使うかが決まります。ただ、どれも互換性があり、ほかの前置詞が使われることもあります。例えば、人に対する怒りはangry withだけでなく、angry atも使われています。これらの中で、最も一般的に使われるのはangry withです。
それぞれの意味の違いは、前置詞のイメージからアプローチすると覚えやすくなります。