最近はホームベーカリーを使った手作りパンにはまっています。出来立ての食パンはビックリするくらい美味しいので是非一度はお勧めです。
パン作りもそうですが、料理をしていると毎回スペイン語の呼び方が気になってしまいます。例えばパン作りの材料に関するスペイン語の単語には以下のようなものがあります。
- 水:agua
- 牛乳:leche
- 塩:sal
- 砂糖:azúcar
- バター:mantequilla
- 強力粉:harina de fuerza
- 酵母:levadura
- ドライイースト:levadura seca
このスペイン語のlavadura(酵母)ですが、どことなくlevadura(洗濯)に似ていませんか。違うのは冒頭のlaとleだけです。
- lavadura:洗濯、洗うこと、濁った水
- levadura:酵母、イースト、パン種
比較してみると全く違う意味の単語ですね。関係性があるのかどうか語源も調べてみました。
lavadura(洗濯)は、動詞lavar(洗う)と、接尾語dura(動詞の名詞化)が組み合わさった言葉です。接尾辞duraを動詞の後につけると名詞になる性質があります。例えば以下の単語などです。
- andar(歩く)→ andadura(歩行)
- añadir(追加する)→ añadidura(おまけ)
- morder(噛む)→ mordedura(噛むこと)
- patear(蹴る)→ pateadura(蹴ること)
以前もご紹介しましたが、単語は違う品詞も覚えてしまうなど「関連付け」して覚えると、効率的に語彙力を増やせます。
ちなみにlavaduraと似ている単語にlavadoraがありますが、こちらは「洗う人、洗濯機」という意味です。lavar(洗う)+dor(~する人)の組み合わせです。こちらも似ているので注意ですね。
levadura(酵母)は、昔のスペイン語で「運ぶ」を意味する動詞levarが語源になっています。
※現在のスペイン語では「運ぶ」はllevarです。
llevarの語源を遡ってみると、ラテン語の「持ち上げる、膨らませる、発酵させる(levaturus, levo)」という単語に由来しているようです。この単語はスペイン語のlevantar(上げる、起こす)の語源にもなっています。
どうやらスペイン語のlevadura(酵母)、llevar(運ぶ)、levantar(上げる)は親戚関係にあるようです。つまり同じ語源を持つ同根語です。
どの単語も何かを「持ち上げる、立ち上げる」という共通点がありますね。
ラテン語まで遡ると、イタリア語やフランス語などのロマンス諸語にもたどり着きます。ロマンス諸語でも「酵母」の語源は同じようです。
- イタリア語:lievito
- フランス語:levure
- ポルトガル語:levedura
スペルも似ていますね。やはりスペイン語と一番似ているのは相互理解可能性があるポルトガル語です。
ちなみに、スペイン語の酵母はlevadura以外にもfermentoと呼ばれています。ラテン語の「酵母、発酵(fermentum)」が語源ですが、こちらの単語は英語にも伝わっていますね。
発酵に関する英単語です。
- ferment:発酵させる、発酵、酵母
- fermentable:発酵性の
- fermentation:発酵
こちらはスペイン語です。
- fermentar:発酵する
- fermentable:発酵性の
- fermentación:発酵
スペイン語も英語もほぼ同じですね。スペイン語と英語の勉強は似ている単語から覚えるのもおすすめの勉強法です。以下で似ている単語もまとめているので英西同時学習の参考にして下さいね。
lavaduraとlevandura、「食べ物」と「洗濯」でジャンルが全く違うので間違えないように気を付けたいですね。
それでは今回はこの辺で。チャオ!