今回は日本でも愛されているアルパカの意味や語源についてご紹介します。
アルパカは、南アメリカのアンデス付近が原産の動物です。日本では、体毛がセーターやマフラーなどで使われることで有名ですね。漢字では、羊(ひつじ)と駱駝(らくだ)で「羊駱駝」と書きます。漢字の通り、羊のようなフワフワの体毛と、ラクダ科に属していることが理由になっています。同じくラクダ科のラマ(リャマ)と間違えられることがありますが、お互いに近縁関係にあります。
アルパカ, alpaca
ラマ (リャマ), llama
日本語のアルパカはスペイン語のalpacaに由来しています。さらに語源をさかのぼると、南米先住民言語であるアイマラ語やケチュア語のallpaqaに由来します。アイマラ語やケチュア語には元々文字がありませんでしたが、スペインによる植民地化以降、アルファベットを基にした文字が作られました。コロンブスがアメリカ大陸に到達したのは1492年ですが、それよりも何千年前の先コロンブス期の時代からアルパカは家畜化され、特に王族の衣服に用いられていました。
以前書いた「スペイン語に由来する動物の外来語」でも少し取り上げましたが、元々アルパカ(alpaca)はケチュア語で「黄赤色、金髪」を意味するp’akeやp’akuという言葉に由来しています。どうやらアルパカの体毛の色に因んで名づけられたそうです。alpacaの「al」はアラビア語やスペイン語の冠詞とされています。なぜアラビア語なのかというと、イベリア半島では8~15世紀頃までイスラームの支配下に置かれていたため、アラビア語の影響を受けていたからです。
出典:alpaca (n.) – Etymonline
出典:alpaca – DECEL
ケチュア語では元々「黄赤色、金髪」を意味するように、アルパカのセーターやマフラーも茶色やオレンジなど色とりどりです。
アルパカの毛はとても細く、0.02~0.03mmほどなので、「繊維の宝石」とも呼ばれています。日本では無印良品などでアルパカ製品が扱われていますが、ユニクロなどのようにSDGsの観点からアルパカの取り扱いを中止しているところもあるようです。日本ではこれから先さらに入手しづらくなるかもしれません。
日本でアルパカを見られるところは、長野県の八ヶ岳アルパカ牧場や、栃木県の那須アルパカ牧場が有名です。南米では標高3500~5000メートルほどの高地で放牧されているので、日本でも高原など涼しい地域が選ばれているようです。唾を吐く習性があるので近づきすぎには要注意ですね。
アルパカはぬいぐるみも可愛いですね。私も南米で買ったり貰ったりした下のようなぬいぐるみを家に飾っています。
そんなアルパカですが、実は体毛が衣類に使われているだけでなく、南米では干し肉にして食されることもあります。スペイン語やケチュア語ではチャルキ(charqui)と呼ばれています。私も何度か食べたことがありますが、とても美味しかったです。今ではもう食べれないかもしれません。
アルパカはスペイン語のalpaca、さらには南米先住民言語であるアイマラ語やケチュア語のallpaqaに由来します。アルパカはケチュア語で「黄赤色、金髪(p’ake)」という意味があり、アルパカの体毛の色に因んで名づけられました。