ドビュッシーの曲はどれも美しい曲ばかりですね。
ドビュッシーで最も有名な曲といえば、恐らく月の光(Clair de lune)だと思います。耳にすれば一度は聞いたことがある名曲です。
そのほかには、夢想、亜麻色の髪の乙女、パスピエなども有名です。パスピエは、ベルガマスク組曲の第4曲目で、第3曲目の月の光の影に隠れているイメージもありますが、小気味の良いメロディがとても魅力的な曲です。
パスピエの意味や語源を見てみると、フランス語で「通行する足」という意味があります。スペルはpasse-pied。passeは「通過する」を意味する動詞passerの現在・1, 3人称単数、piedは「足」を意味する名詞です。
英語ではpaspy, paspie, paspeなどと呼ばれていたそうですが、現在ではフランス語と同じスペルのpassepiedが使われています。直訳するとpass-footです。
そもそもパスピエとは何なのかを調べてみると、舞曲の一種のようです。
パスピエは16~18紀頃のフランスの宮廷舞踏で、その特徴的なダンスのステップから、フランス語で「通行する足」を意味するパスピエ(passepied)と呼ばれるようになったそうです。特にフランスにおけるオペラやバレエなどの牧歌的なシーンでよく見られたそうです。
確かにドビュッシーのパスピエも、足踏みをするような、行進曲のような、小気味の良いリズムが特徴的です。
ゲームのBGMで似ている曲があったなと思い調べてみたら、ドラゴンクエストのBGM「広野を行く アレフガルドにて」でした。未知の荒野を颯爽と進む様は、まさにパスピエのようでますが、寂しさや孤独も感じさせるBGMです。こちらも名曲です。
ちなみに、ベルガマスク組曲のベルガマスクは、イタリア北西部にあるベルガモ地方や、ベルガモ地方の舞曲に由来するのだそうです。ただ、ベルガモとの直接的な関係はないのだとか。
語源を辿るのも中々難しいですね。