こんにちは。南米在住歴6年のごがくねこです。
スペイン語で会話していると、ネイティブのスピードに置いていかれてしまこともありますよね。ある研究によればスペイン語は話すスピードがとても速い言語とも言われています。
そんな時におすすめなのが「日本語で考えずにスペイン語で考える」ことです。
日本語に訳すると時間がかかる
スペイン語で考えた方が良い1つ目の理由は、日本語に翻訳すると時間がかかるからです。
スペイン語で会話している時に「〇〇は日本語で〇〇だから」と日本語に丁寧に変換していると、ネイティブのスピードに置いていかれてしまいます。
例えば動詞にtomarという単語がありますが、非常に多義的な意味を持つ単語です。
tomar un pastel.(ケーキを食べる)
tomar un café.(コーヒーを飲む)
tomar un taxi.(タクシーに乗る)
tomar un baño.(風呂に入る)
日本語にすると「取る、食べる、飲む、乗る、入る、つかむ」などと翻訳できますが、わざわざ日本語に変換しているとスムーズに会話するのは困難です。
誰かに「Vamos a tomar un café.」と言われたとしても、私は「tomar」の細かな意味まで考えていません。「~しよう」を意味する「Vamos a …」も日本語には訳していません。
何故なら、わざわざ日本語にする必要がない部分だからです。
日本語の場合も同じだと思います。会話中は単語の細かな意味まで意識しないはずです。例えば、①注文を取る、②注文をする、③注文を頼む、のどれを言われたとしても、恐らく3秒後にはどの動詞が使われていたのかは忘れて、注文したいことについて考えていると思います。
「コーヒー飲まない?」や「コーヒーを飲みにいかない?」のような表現の違いも同様のはずです。聞かれて考えることはこれからのことで、概して文法のことではありません。言語学が好きな友達や言語学者なら別かもしれませんが。
細かく翻訳しすぎると余計なことまで考えてしまうので、あまり意識しないで切り替えることもスムーズに会話する秘訣だと思います。
日本語に翻訳すると意味がズレる
スペイン語で考えた方が良いもう1つの理由は、日本語にすると意味が微妙にズレることがあるからです。
例えば「¿Cómo está su gente?」と尋ねられたとしています。「gente」というと、真っ先に思い浮かぶ意味は「人々」だと思います。ただ、この場合は「ご家族は元気ですか?」という意味で使われます。
genteの意味を挙げると、「人々、国民、民衆、大勢、~の人(職業)、家族、同郷人、仲間、部下、同類(動植物)」のような意味があります。ですが毎回1つ1つの意味を照合しているわけではないですよね。そんなことしていたら日が暮れてしまいます。
南米に何年か住んでいても、大体のニュアンスや会話の流れで意味を推測していくことが多々あります。
というのも、スペイン語は国や地域によって様々なバリエーションが存在する言語だからです。更に言えば、話す年齢層や集団によっても単語の使い方や表現の仕方は多種多様です。
そのため、何でも日本語に翻訳するのではなく、時にはそれぞれのスペイン語の気持ちになって考えることも大切だと思います。
英語でも考えない
英語で考えてからスペイン語に変換するのもあまりオススメしません。
何故なら、英語とスペイン語の切り替えができなくなってしまうからです。
英語とスペイン語はどちらもラテン文字(アルファベット)を使う言語ですが、研究によっては20%の語彙が共通しているとも言われています。例えばactとacto、balanceとbalanza、conversationとconversaciónなど、似ている単語をあげれば枚挙にいとまがありません。ただ、スペルが似ていても発音は異なりますし、似ているけど意味が違う場合もあるので注意が必要です。
そのため、どちらの言語なのかしっかりと区別していないと、会話の時に単語が混ざってしまう恐れがあります。
私もたまに混ざってしまう時があります。
英語の語順は「形容詞+名詞」ですが、スペイン語は「名詞+形容詞」で真逆です。例えば「黄色い机」を英語でいうと「yellow table」ですが、スペイン語では「mesa amarillo」ですよね。気を付けたいですね。
まとめ
今回はネイティブの会話について行けない時におすすめしたいをご紹介しました。
それは、日本語ではなくスペイン語で考えることです。
- 日本語に翻訳すると時間がかかる
- 日本語に翻訳すると意味がズレる
- 英語で考えるとスペイン語と混ざってしまう
例えば「tomar」という単語は日本語にすると「取る、食べる、飲む、乗る、入る、つかむ」など数多くの意味があるので、日本語に翻訳しているとネイティブのスピードに追い付けません。日本語で会話する場合も、単語の意味をそこまで細かく意識していないはずです。
日本語や英語に変換すると意味がズレてしまうことがあるので注意が必要です。語法は微妙に異なります。
スペイン語は色々な地域で話されているので、話す人の数だけ多彩なバリエーションや気持ちがあります。それぞれのスペイン語の気持ちなって話してみると、きっと上手くいくと思います。
皆さんの言語学習の一助になったのなら幸いです。