flourish(栄える)はもともと「開花」を表す言葉だった

桜の花

日本では、桜の開花の時期が迫ってきましたね。「花が咲く」を意味する英単語は、bloom, blossom, come into flower, come outなどがありますが、flourish(栄える)が使われていた時期もありました。ほかの英単語と同じように、時代とともに意味が変化し、現在の意味になっています。

Etymonlineによると、動詞のflourishが初めて英語に登場したのは1300年頃で、「花が咲く(blossom)」や「成長する(grow)」という意味で使われ始めました。

出典:flourish – Etymonline

flourishは、古フランス語のflorir(咲く)や、ラテン語のflorere(咲く)に由来します。似ている単語に英語のflower(花)がありますが、ラテン語のflorem⁄flos(花)に由来する同族です。この時代は中英語(Middle English)と呼ばれ、膨大な数のラテン語とフランス語の単語が、英語に取り入れられた時期でした。

参考 英語の語彙に影響を与えた外国語

flourishが「繁栄する(thrive)」という比喩的な意味で使われるようになったのは、14世紀半ばでした。また、14世紀後半には、「武器などを振り回す」という他動詞的な意味でも使われるようになります。

1500年頃には、「花」という名詞でも使われ始めますが、現在は廃語になっています。1500年といえば、中英語から近代英語(Modern English)に移行した時期です。この頃は、品詞転換(conversion)と呼ばれる「形が同じなのに複数の品詞を持つ単語」が増えた時期です。英語学習者にとっては、厄介な出来事かもしれませんね。

参考 英語の歴史を簡単に振り返る

flourishも名詞の意味を拡張していき、1550年代からは「武器を振り回すこと」、1600年代からは「装飾などの飾り書き」などの意味も表すようになっています。

flourishという言葉は、開花、繁栄、武道、装飾にいたるまで、木の枝のように用法を拡張させていき、花のように意味を咲かせています。時代が変われば、また別の花を咲かせるかもしれませんね(?) ちょっと強引なまとめですが、単語の語源をたどるのは面白いものですね。

現在のflourishの意味は以下になります。

flourish
[自] 繁茂する、栄える、活躍する
[他](武器を)振り回す、見せびらかす
[名](武器を)振り回すこと、飾り書き
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