英語の重要性とその問題点について

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英語は世界で最も広く話されている言語の一つで、約4億人が第一言語として、約15億人が第一言語または第二言語として使用しています。また、世界の67か国の公用語であり、ビジネス、科学、インターネット、エンターテインメントなど、幅広い分野の標準語として使われています。また、国連、WTO、ASEANなど、多くの国際機関の共通語にもなっています。

参照 英語はなぜ世界共通語になったか
参照 英語の歴史を簡単に振り返る

歴史的にも豊かで、多様な語彙を持っています。ドイツ語やオランダ語と同じゲルマン語派に属する英語は、何世紀にもわたってラテン語やフランス語など、その他の言語の影響を受けてきました。その結果、さまざまな語源を持つ単語が混在し、多彩な色相を呈する言語となりました。さらに、世界中にさまざまな方言が点在し、国・地域・集団によって異なる表現や方言が使われています。実際に、英語の語彙数は100万語以上とも言われています。

参照 英語の語彙に影響を与えた外国語
参照 英語にはいくつの単語があるのか

英語の特徴は、他の言語から語彙を吸収する柔軟性と、新しい言葉を生み出す傑出した造語力です。日本語でもお馴染みの、smartphone(スマートフォン)、wi-fi(ワイファイ)、blog(ブログ)、hashtag(ハッシュタグ)、gadget(ガジェット/道具)、selfie(セルフィ/自撮り)など、さまざまな新しい言葉が生まれ、世界のいたるところで日常的に使われています。一方、日本語からも、emoji, tsunami, kawaiiなどの単語を取り入れています。英語は絶え間なく進化し続け、停滞することなく、今なお変化しています。

参照 異なる言語が接触すると何が起こるのか?

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英語の価値は人々をつなげていることです。リンガ・フランカ(lingua franca)として定着している英語は、異なる文化や背景を持つ人々が互いにつながり、理解し合うことを可能にしています。また、グローバル規模でアイデアや情報を交換することにも寄与しています。

一方、英語の世界的な普及は、言語や文化の多様性に対する懸念も生んでいます。英語が第一言語に推奨されるようになると、固有の言語や文化が不可逆的に失われる可能性があるからです。特に、教育や雇用の場において英語が使用されている国では、母語や文化的アイデンティティを維持することが困難になってしまうことがあります。英語を共通言語として広く採用することは、言語帝国主義(Linguistic Imperialism)もしくは英語帝国主義の一形態であり、マイノリティの言語や文化の排除や喪失につながっている、という主張も一部で論じられています。英語は世界言語として定着していますが、その支配的な優位性に対する批判や問題がないわけではありません。

グローバル化が成熟し、世界の結び付きがより強固になるにつれ、共通語や意思疎通の必要性はより高まっていくでしょう。その媒体が、ラテン語なのか、フランス語なのか、引き続き英語なのかは定かではありませんが、共通語の役割を認識するとともに、言語や文化の多様性を実現していくことが、今後より重要になってくるのではと思います。

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