コロケーションとは何か?なぜ英語学習に重要なのか

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ネイティブのような自然な英語を話すためには、コロケーションの習得が不可欠です。そこで今回は、コロケーションの意味・例・重要性について解説します。

コロケーションや熟語一覧は下のリンクでまとめています。

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コロケーションとは何か

コロケーション(collocation)とは、よく使われる単語の組み合わせのことです。日本語では連語(れんご)と訳されています。

例えば、heavy rain(大雨)や、language learning(言語学習)などがあげられます。

Oxford Learner’s Dictionariesでは、以下のように定義されています。

a combination of words in a language that happens very often and more frequently than would happen by chance

引用元 – collocation – Oxford Learner’s Dictionaries

偶然よりも頻繁に起こる単語の組み合わせ」と説明されています。

言い換えれば、慣習的に正しく聞こえる組み合わせのことであり、「ネイティブがよく使う自然な表現」や「自然な単語のつながり」とも説明できます。そのため、自然な英語表現にはコロケーションの習得が欠かせないわけです。

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コロケーションは熟語の一種

コロケーションと似たような意味の言葉に熟語複合語があります。

熟語と複合語の定義を「2つ以上の単語の組み合わせ」とした場合、コロケーションは熟語や複合語の一種になります。とはいえ、日本語の熟語は定義があいまいで、イディオム(idiom, 慣用句)を表すこともあります。しかし、日本言語学会などでは、イディオムの和訳として慣用句を用いているため、本サイトでは基本的に以下の定義を用います。

  • compound, 複合語, 熟語
    2つ以上の単語の組み合わせ
  • idiom, イディオム, 慣用句
    2つ以上の単語の組み合わせで、元の単語とは異なる意味を表すもの
  • collocation, コロケーション, 連語
    2つ以上の単語の組み合わせで、よく使われるもの
  • phrasal verb, 句動詞
    動詞と副詞または前置詞の組み合わせ

出典:idiom – Oxford Learner’s Dictionaries
出典:compound – Oxford Learner’s Dictionaries
出典:phrasal verb – Oxford Learner’s Dictionaries

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コロケーションは分かりづらい

英語が母語話者でない人にとって、コロケーションは分かりづらいのが特徴です。ここでは、間違えやすい例をいくつか見ていきたいと思います。

「大雨」はstrong rainではない

英語では「大雨」のことをheavy rain(直訳は重い雨)と言いますが、(×)strong rain(×)powerful rain(×)hard rainとはあまり言いません。

「大雨」を意味する英単語

heavy rain
× strong rain, hard rain, powerful rain

※どの組み合わせがよく使われているかは、Google Ngram Viewerで確認することができます。

strong rainを直訳すると「強い雨」なので、意味的には正しいかもしれませんが、習慣的にほとんど使われていないので、不自然に聞こえてしまうわけです。

ごがくねこ
ごがくねこ

日本語の場合でも、「激雨」より「豪雨」のほうが習慣的に使われていますよね。

コロケーションのポイントは、意味的に正しいのかどうかではなく、習慣的に正しく聞こえるのかという点です。

参照:“What is a collocation?” Engilsh CLUB

「お風呂に入る」はenterではない

英語では「お風呂に入る」ことをenter a bathではなく、have a bath(イギリス英語)やtake a bath(アメリカ英語)と言うのが一般的です。「入る」を直訳するとenterですが、enter a bathでは不自然な表現になってしまいます。

そのほかにも、fast food(ファーストフード)と言いますが、quick foodとはあまり言いません。また、strong coffee(濃いコーヒー)と言いますが、deep coffeeとは言いません。これらは意味的には正しいかもしれませんが、ほとんど使われていない表現です。

「入浴する」を意味する英単語

have a bath, take a bath
× enter a bath

「ファーストフード」を意味する英単語

fast food
× quick food

「濃いコーヒー」を意味する英単語

strong  coffee
× deep coffee

このような例から分かるように、直訳しただけでは自然な表現につながらないのが、コロケーションの難しい点です。どのような組み合わせがよく使われるのかは、言語的もしくは文化的な背景に基づいているため、非ネイティブスピーカーにとっては分かりづらいといえるわけです。そのため、ネイティブのような表現力を身につけるには、コロケーションをコツコツと積み重ねていくことが重要になります。

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コロケーションの例

コロケーションには色々な種類があります。ここではコロケーションの例を品詞別にいくつか紹介します。

名詞 + 名詞

language skills … 語学力
business trip … 出張
car park … 駐車場
traffic congestion … 交通渋滞
coffee shop … 喫茶店
point of view … 視点
way of life … 生き方

そのほかの名詞-名詞コロケーション(noun-noun collocation)は下記で紹介しています。

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名詞 + 前置詞

cause of … ~の原因
responsibility for … ~に対する責任
fondness for … ~への好み
interest in … ~への興味
relevance to … ~との関連性
difficulty with … ~の難しさ

そのほかの名詞-前置詞コロケーション(noun-preposition collocation)は下記で紹介しています。

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動詞 + 名詞

have a meal … 食事をする
have a bath … お風呂に入る
take a shower … シャワーを浴びる
take a break … 休憩する
make a speech … スピーチをする
make a choice … 選択する
place an order … 注文をする
run a business … 事業を営む

そのほかの動詞-名詞コロケーション(verb-noun collocation)は下記で紹介しています。

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動詞 + 前置詞

look for … ~を探す
look into … ~を調べる
look forward to … ~を楽しみにする
look after … ~の世話をする
look about … 周りを見回す
wait for … ~を待つ
rely on … ~を頼る
listen to … ~を聴く
deal with … 取り組む
cope with … 対処する
talk about … ~について話す
think about … ~について考える

「動詞+前置詞/副詞」の組み合わせは、句動詞(phrasal verb)とも呼ばれています。

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動詞 + 副詞

walk slowly … ゆっくり歩く
run quickly … 速く走る
speak fluently … 流暢に話す
work hard … 一生懸命働く

そのほかの動詞-副詞コロケーション(adjective-noun collocation)は下記で紹介しています。

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形容詞 + 名詞

heavy rain … 大雨
daily life … 日常生活
strong coffee … 濃いコーヒー
big decision … 大きな決断
major problem … 主要問題
common knowledge … 常識

そのほかの形容詞-名詞コロケーション(adjective-noun collocation)は下記で紹介しています。

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形容詞 + 前置詞

interested in … ~に興味がある
good at … ~が得意
angry with … ~に怒る
fond of … ~が好き
tired of … ~にうんざりしている
afraid of … ~を恐れる
capable of … ~の能力がある
ashamed of … ~を恥じる

そのほかの形容詞-前置詞コロケーション(adjective-preposition collocation)は下記で紹介しています。

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副詞 + 形容詞

absolutely fantastic … 本当に素晴らしい
completely satisfied … 大満足した
dead tired … 疲れ果てた
deeply grateful … 深く感謝している
exactly right … まさにその通り
really good … 本当に良い
utterly confused … かなり混乱した

そのほかの副詞-形容詞コロケーション(adverb-adjective collocation)は下記で紹介しています。

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ここで紹介しているコロケーションはあくまで一部です。例えば『Oxford Collocations Dictionary』には15万以上のコロケーションが収録されています。もの凄い数がありますが、よく使われる組み合わせは一部なので、単語と一緒に少しづつ積み重ねていきたいですね。

コロケーションの重要性

コロケーションを学ぶ重要性やメリットは多岐にわたります。

英語を理解しやすくなる

コロケーションは、英語の理解度を高めるのに欠かせません。例えば、traffic congestion(交通渋滞)やjob market(求人市場)のように、名詞と名詞で構成される組み合わせもあります。よく使われるコロケーションを学ぶことで、文の構造を理解しやすくなるので、文法で混乱する機会を減らすことができます。

英語が聞き取りやすくなる

コロケーションは、英語の聞き取りに役立ちます。よく使われる単語同士の組み合わせを学ぶことで、聞き取る精度を高めることができるからです。例えば、動詞のlookには、look for(~を探す)、look into(~を調べる)、look forward to(~を楽しみにする)、look after(~の世話をする)、look about(見回す)などのようにさまざまな組み合わせがあります。これらは句動詞とも呼ばれますが、同じ動詞でも前置詞が変われば意味が大きく変わってしまいます。事前に組み合わせ毎の意味を把握しておくことで、英語の聞き取りがスムーズになります。

自然な英語を話すことができる

コロケーションは、自然な英語を話すことに役立ちます。例えば、雨が強いことを表すには、strong rainではなく、heavy rainのほうが自然です。ネイティブがよく使う単語の組み合わせを使うことで、より自然な英語表現を身に付けることができます。

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流暢な英語を話せるようになる

コロケーションは、流暢に英語を話すことにも役立ちます。例えば、動詞のあとにどの前置詞が使われることが多いのかを学習することで、言葉を選ぶのに迷わなくなります。よく使われる単語はセットで覚えた方が効率的です。

誤解を避けることができる

コロケーションは、人間関係にも役立ちます。単語を誤った組み合わせで使用すると、誤解を招いてしまうことがあるかもしれません。適切な単語の組み合わせを使うことで、このような誤解を避けることができます。

TOEICに役立つ

コロケーションは、TOEICなどにも役立ちます。TOEICなどの穴埋め問題では、適切な言葉を選択する必要があります。コロケーションを知っていると、より自然な英語表現を選択でき、選択肢を絞り込むことができます。

出典:“About Oxford Collocations Dictionary” Oxford Learner’s Dictionaries

まとめ

今回は「コロケーションの意味・例・重要性」についてご紹介しました。

コロケーションとは、よく使われる自然な単語の組み合わせのことです。日本語では連語(れんご)と呼ばれています。コロケーションは熟語や複合語の一種であり、イディオムや慣用句とは異なります。

それぞれの定義の違いは以下になります。

  • compound, 複合語, 熟語
    2つ以上の単語の組み合わせ
  • idiom, イディオム, 慣用句, 成句
    2つ以上の単語の組み合わせで、元の単語とは異なる特定の意味を表すもの
  • collocation, コロケーション, 連語
    2つ以上の単語の組み合わせで、よく使われるもの
  • phrasal verb, 句動詞
    動詞と副詞または前置詞の組み合わせ

コロケーションは、ネイティブスピーカーにとって自然に聞こえても、非ネイティブスピーカーには分かりづらいのが特徴です。また、コロケーションは直訳にならないこともあるので、それぞれの組み合わせと意味を、少しづつ覚える必要があります。

コロケーションを学ぶメリットには、英語を理解しやすくなる、英語が聞き取りやすくなる、自然な英語を話すことができる、誤解を避けることができる、など多岐にわたります。また、穴埋め問題や単語の組み合わせを答えるTOEICテストなどにも役立ちます。

コロケーションはさまざまな種類があり、ほぼすべての品詞と組み合わさります。例えば『Oxford Collocations Dictionary』には15万以上のコロケーションが収録されています。

とはいえ、実際に使われるコロケーションは、その中でもほんの一握りなので、単語を覚えるのと同じように、少しずつにコツコツと積み重ねていきたいですね。

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