ネイティブのような自然な英語を話すためには、コロケーション(collocation)の習得が大切です。今回は「コロケーションの意味・例・重要性」について解説します。
コロケーションとは
コロケーション(collocation)とは、自然な単語の組み合わせのことを指します。
「ネイティブがよく使う表現」や「自然な単語のつながり」とも言い換えられます。日本語では「連語」と訳されています。
たとえば、heavy rain(大雨)というコロケーションを例に見てみたいと思います。英語では「大雨」のことをheavy rainと言いますが、strong rainとはあまり言いません。「強い雨」なので意味的には正しいかもしれませんが、普段あまり使わない組み合わせなので、不自然に聞こえてしまうわけです。
コロケーションは、非ネイティブスピーカーには分かりづらいのが特徴です。
たとえば、「お風呂に入る」はenter a bathではなく、have a bath(お風呂に入る)と言います。またアメリカでは、haveではなくtake a bath(お風呂に入る)が一般的です。そのほかにも、fast food(ファーストフード)とはいいますが、quick foodとはあまりいいません。このように、どの単語で表現するのかは、言語や地域ごとに異なります。
また、コロケーションは直訳できないこともあります。
先ほどのhave a bathも、「お風呂を持っている」と言いたいわけではありません。そのほかにも、「濃いコーヒー」はdeepやdenseではなく、strong coffeeといいます。このように、コロケーションは直訳にならないことが多いため、それぞれの組み合わせと意味を覚える必要があります。そのため、自然な英語表現をするためには、コロケーションの習得が欠かせないわけです。
出典:“What is a collocation?” Engilsh CLUB
コロケーションの例
コロケーションにはさまざまな種類あります。
ここでは、コロケーションの例を、品詞の組み合わせ別に紹介します。
名詞 + 名詞
language skills … 語学力
business trip … 出張
car park … 駐車場
traffic congestion … 交通渋滞
coffee shop … 喫茶店
point of view … 視点
way of life … 生き方
そのほかの名詞-名詞コロケーション(noun-noun collocation)は下記で紹介しています。

名詞 + 前置詞
cause of … ~の原因
responsibility for … ~に対する責任
fondness for … ~への好み
interest in … ~への興味
relevance to … ~との関連性
difficulty with … ~の難しさ
そのほかの名詞-前置詞コロケーション(noun-preposition collocation)は下記で紹介しています。

動詞 + 名詞
have a meal … 食事をする
have a bath … お風呂に入る
take a shower … シャワーを浴びる
take a break … 休憩する
make a speech … スピーチをする
make a choice … 選択する
place an order … 注文をする
run a business … 事業を営む
そのほかの動詞-名詞コロケーション(verb-noun collocation)は下記で紹介しています。

動詞 + 前置詞
look for … ~を探す
look into … ~を調べる
look forward to … ~を楽しみにする
look after … ~の世話をする
look about … 周りを見回す
wait for … ~を待つ
rely on … ~を頼る
listen to … ~を聴く
deal with … 取り組む
cope with … 対処する
talk about … ~について話す
think about … ~について考える
「動詞+前置詞/副詞」の組み合わせは、句動詞(phrasal verb)とも呼ばれています。

動詞 + 副詞
walk slowly … ゆっくり歩く
run quickly … 速く走る
speak softly … 穏やかに話す
speak fluently … 流暢に話す
形容詞 + 名詞
heavy rain … 大雨
bright color … 明るい色
strong coffee … 濃いコーヒー
major problem … 主要問題
key issue … 重要問題
形容詞 + 前置詞
interested in … ~に興味がある
good at … ~が得意
angry with … ~に怒る
fond of … ~が好き
tired of … ~にうんざりしている
afraid of … ~を恐れる
capable of … ~の能力がある
ashamed of … ~を恥じる
そのほかの形容詞-前置詞コロケーション(adjective-preposition collocation)は下記で紹介しています。

副詞 + 形容詞
absolutely fantastic … 本当に素晴らしい
completely satisfied … 大満足した
dead tired … 疲れ果てた
deeply grateful … 深く感謝している exactly right … まさにその通り
really good … 本当に良い
utterly confused … かなり混乱した
そのほかの副詞-形容詞コロケーション(adverb-adjective collocation)は下記で紹介しています。

ここで紹介したコロケーションはあくまで一部にすぎません。たとえば『Oxford Collocations Dictionary』には、なんと15万以上のコロケーションが収録されています。もの凄い数ですね。コロケーションは単語を覚える時に、一緒に少しずつ覚えて、コツコツと積み重ねていきたいですね。
コロケーションの重要性
コロケーションを学ぶ重要性やメリットはたくさんあります。
英語を理解しやすくなる
コロケーションは、英語の理解度を高めるのに欠かせません。たとえば、traffic congestion(交通渋滞)やjob market(求人市場)のように、名詞と名詞が組み合わさってできるコロケーションもあります。コロケーションを学ぶことで、文の構造を理解しやすくなるので、文法で混乱する機会を減らすことができます。
英語が聞き取りやすくなる
コロケーションは、英語を聞き取るのに役立ちます。よく使われる単語同士の組み合わせを知ることで、聞き取りの精度を高めることができるからです。
たとえば、動詞のlookには、look for(~を探す)、look into(~を調べる)、look forward to(~を楽しみにする)、look after(~の世話をする)、look about(見回す)など、さまざまなコロケーションがあります。
これらのコロケーション(句動詞)は、前置詞が変わると意味が大きく変わってしまいます。事前にそれぞれの意味を把握しておくことで、英語の聞き取りがスムーズになります。
自然な英語を話すことができる
コロケーションは、自然な英語を話すことに役立ちます。たとえば、雨が強いことを表すには、strong rainではなく、heavy rainの方が自然です。ネイティブがよく使う単語の組み合わせを使うことで、より自然な英語表現を身に付けることができます。
流暢な英語を話せるようになる
コロケーションは、流暢に英語を話すことにも役立ちます。たとえば、どの前置詞を使おうか迷うことってあるますよね。事前によく使われる単語の組み合わせを学ぶことで、言葉を選ぶのに迷わなくなります。
誤解を避けることができる
コロケーションは、人間関係にも役立ちます。単語を誤った組み合わせで使用すると、誤解を招いてしまうことがあるかもしれません。適切なコロケーションを知ることで、このような誤解を避けることができます。
TOEICに役立つ
コロケーションは、TOEICなどにも役立ちます。TOEICなどの穴埋め問題では、適切な言葉を選択する必要があります。コロケーションを知っていると、より自然な英語表現を選択でき、選択肢を絞り込むことができます。
まとめ
今回は「コロケーションの意味・例・重要性」についてご紹介しました。
コロケーションとは「よく使われる自然な単語の組み合わせ」のことで、日本語では連語と呼ばれています。コロケーションは、ネイティブスピーカーにとって自然に見えても、非ネイティブスピーカーには分かりづらいのが特徴です。また、コロケーションは直訳にならないこともあるので、それぞれの組み合わせと意味を覚える必要があります。
コロケーションを学ぶメリットには、英語を理解しやすくなる、英語が聞き取りやすくなる、自然な英語を話すことができる、誤解を避けることができる、などがあります。
コロケーションは、ほぼすべての品詞で組み合わさるので、さまざまな種類があります。たとえば『Oxford Collocations Dictionary』には、なんと15万以上のコロケーションが収録されています。
とはいえ、実際に使われるコロケーションは、その中でもほんの一握りです。単語を覚える際に、コロケーションもコツコツと覚えて、ネイティブのような自然な英語表現と、英語力の向上につなげたいですね。