単語を覚えるのが苦手だと感じる方も多いと思いますが、単語学習には、単語帳を読むだけでなく、様々な方法があります。単語学習は自分に合った方法を見つけることが重要です。適切な方法を見つければ、学習効率はきっと上がるはずです。さらには、複数の方法を組み合わせることで、より効果的に学習を進めることができるかもしれません。そこで今回は「単語学習に役立つ様々な方法」を網羅的に紹介したいと思います。
勉強方法
ここでは単語を覚える勉強方法について紹介しています。
関連付けて学ぶ
覚えた単語と関係のある単語を学ぶことで、ゼロから暗記するより覚えやすくなります。例えば、動詞のsignify(意味する)を覚えた際は、significance(意味)、signification(意義)、significant(重要な)、 significantly(意味ありげに)などの同じ意味を持つ別の品詞も覚えてしまうと効率的です。この方法を使えば、単語を芋づる式に増やすことができます。
接尾辞を覚える
接尾辞を覚えると、単語の品詞を判別できるので、長文読解やTOEICに役立ちます。例えば、先ほど紹介したsignifyを分解してみると、語尾の-ifyは動詞を作る働きがあります。significanceの-anceは名詞を、sifnificantの-antは形容詞を、significantlyの-lyは副詞を作る接尾辞です。接尾辞を覚えておけば、TOEICなどで、①signify、②significance、③significant、④significantly、のような選択枠が出ても、どの品詞なのか簡単に判断することができます。接尾辞の一覧はこちらでまとめています。
接頭辞を覚える
接頭辞は、単語の大まかな意味を決める役割があります。接尾辞のように品詞を決定する働きはありませんが、un-やdis-のように反対の意味を作る接頭辞もあるため、覚えておくととても役立ちます。接頭辞の一覧はこちらでまとめています。
頻度順に学ぶ
日常的によく使われる単語から学ぶことで、より実用的な単語を身につけることができます。特に、他の単語と組み合わさってできる熟語やイディオムは、頻出単語から構成されていることが多々あります。例えば、take, get, putなどがあげられます。
例文から学ぶ
単語を例文から学ぶことで、自然に使われている表現や使い方を覚えることができます。例文ごと覚えることで、単語を1つだけ覚えるよりも、記憶に残りやすくなります。
復習する
単語学習には定期的な復習が欠かせません。人は忘れる生き物だからです。エビングハウスの忘却曲線によれば、人間の脳は20分後に42%、1時間後には56%、1日後には74%も忘れてしまうとされています。学習した単語を定期的に復習することで、短期記憶ではなく長期記憶に残すことができます。
何度も繰り返す
単語学習や暗記でよく使われるのは反復記憶法です。反復記憶法とは、1つの単語を念入りに覚えるのではなく、30〜50個のように複数の単語を短時間で素早く繰り返す方法です。何度も繰り返すことで脳が重要な情報だと判断し、短期記憶から長期記憶へと移行します。
実践系
ここでは実際に行う方法について紹介しています。
実際に使って覚える
学習した単語を実際に使うことも大切です。アウトプットとも言います。勉強した単語を使ってライティングやスピーキングをすることで、単語やフレーズが頭に定着し、少しづつ使いこなせるようになります。accquire(長期間努力をして得る)とobtain(物理的な物や資格など得る)など、同じような意味の単語も、実際に使うことで、適した使い方や意味を身につけることができます。
アプリを使う
単語学習アプリを利用するのも1つの方法です。単語学習を目的としたアプリは、暗記用のアプリから、ゲームとして遊べるアプリまで多種多様です。自分に合ったアプリを見つけることで、学習効率を上げることができます。
ゲームを使って学習する
単語を使ったゲームをすることで、楽しみながら学習することができます。モチベーションが維持しやすくなるので、学習の習慣化も期待できます。例えば、英語学習ができるゲームアプリには「英語物語」などがあり、私も一時期はまっていました。デメリットは、ゲームが主体となってしまい、勉強が二の次になってしまう場合があることです。
オンラインレッスンを利用する
オンラインレッスンを利用して、語学力をアップさせる方法です。無料の方法だと、なかなかやる気が出ない場合もあります。実際にお金を払うことで、やらなければならないという意欲が高まります。
カフェで勉強する
自宅と比べて遊んでしまう誘惑が少ないため、より集中して勉強に取り組める、と言われています。もちろん、どの環境が適しているのかには個人差があるので、個々に試してみる必要はあります。実際にお金を払うことで、やらなければならないという気持ちも高まります。また、カフェインには眠気を取り払うだけでなく、集中力を高める働きもあります。
誰かと勉強をする
他の人と一緒に学習することで、相互に補完しあって学習することができます。1人ではモチベーションが上がらない人におすすめの方法です。最近ではYouTubeなどで勉強動画をアップしているチャンネルもあるので、お気に入りのチャンネルの勉強動画を見るのも良いかもしれません。
辞書を使う
辞書を引くのも王道です。最も信頼性の高い情報源から、単語の意味や使い方を学ぶことができるからです。無料で使えるネット辞書は「コトバンク」がおすすめです。日本語や英語だけでなく、中国語、フランス語、スペイン語などの多言語にも対応していて、収録されている辞典の数は140にも及びます。
事前に調べる
これから外国語を使う予定があるのなら、事前に言いたいことを調べてまとめるのも実用的です。例えば、フリートークの英会話をするのに、始まってから話す内容を考え始めるのでは、お金と時間がもったいありません。他にも、旅行先で使いそうな単語やフレーズを事前に調べておけば、現地へ訪れた際に使うことができ、慌てずに済みます。
フラッシュカードを使う
フラッシュカードや単語カードは、単語を視覚的に学習するので、記憶に残りやすくなります。自分で自作したり、単語アプリを探すなどの方法があります。
リーディング・ライティング系
ここではリーディングやライティングに関する方法を紹介しています。
文章を読む
外国語の文章を読むことで、語彙力、文法力、読解力を高めることができます。インプットにあたる方法です。自分に合ったレベルの文章を選ぶことが大切で、難しすぎる文章を選んでしまうと、モチベーションが下がってしまうことがあります。スティーヴン・クラッシェンの「インプット仮説」によれば、少し難しいインプットが重要であるとされています。知らない単語は30%程度の難易度が適しているようです。重要な単語は、辞書を使って確認することも必要です。具体的には、海外のニュースサイトやブログなどを見るのも方法です。
文章を書く
学習した単語を使った文章を書くことで、ライティング力を高めることができます。アウトプットにあたる方法です。SNSやブログなどを利用して、発信するのも効果的です。誰かが見てくれることで、モチベーションも維持しやすくなります。
ツイートを見る
外国語のツイートを見ることで、ネイティブの表現を学ぶことができます。特に、最新のスラング、イディオム、略語などにも詳しくなれます。自分が好きな話題に関するトピックを探すと、より楽しんで学習できます。ツイートには文字制限があり短いので、読みやすいというメリットもあります。日本語のツイートを除外する方法は「キーワード -lang:ja」で可能です。
小説や漫画を読む
小説や漫画を読むことで、楽しみながら単語を学習することができます。漫画の場合は、イラストやキャラクターの表情などがわかるので、より理解しやすくなります。例えば、英語版が出ている有名な漫画には、『ワンピース』や『鬼滅の刃』などがあります。語学に自信がある方は、海外の小説を原文で読むのも方法です。
リスニング・スピーキング系
ここではリスニングやスピーキングに関する方法を紹介しています。
会話をする
ネイティブスピーカーと話すことで、実際に使われている自然な単語や表現を覚えることができます。会話を通じて、リスニングやスピーキングの能力を高めることができ、総合的な語学力の向上が期待できます。また、学習している言語に慣れることもできます。ネイティブではなくても、知り合いなどに言語交換パートナーになってもらう方法もあります。
映画やドラマを見る
外国語の映画やドラマを見ることで、リスニング力を高めることができます。また、単語や熟語などの自然な使い方を覚えることができます。食事中に見るなど、「ながら作業」で行えるのもメリットです。外国語の字幕を表示することで、リーディング力も高めることができます。
音楽を聴く
音楽を聴くことで、リズムと一緒に単語が入って来るので、記憶に残りやすくなります。また、単語の自然な使い方を覚えることができ、リスニング力を養うことができます。
歌を歌う
外国語の歌を歌うことで、スピーキング力を高めることができます。好きな曲の歌詞を覚えることで、楽しみながら単語を覚えることができます。お風呂場でもカラオケでも車の中でも、どこでも楽しめる方法です。
ポッドキャストを聴く
ポッドキャスト(ポッドキャスティング)は、スマホやパソコンなどに、無料で音声コンテンツを保存して再生できるサービスです。どこでも簡単に聞けるのがメリットで、リスニングや耳を慣らすのに役立ちます。
単語を音声で聞いて覚える
音声を聞くことで、発音を確認しながら単語を学習することができます。例えば、このサイトでも、発音ボタンをクリックすると発音が聞けるようになっています。
例 → access
まとめ
今回は、単語学習に役立つ色々な方法を網羅的に紹介しました。学習方法は、リーディングからスピーキングまで多岐にわたります。単語の学習は、自分に合った方法を見つけることが重要なので、ぜひ色々な方法を試してみてください。皆さんの言語学習の一助になれば幸いです。