このシリーズでは、「知っている英単語でスペイン語を覚えよう!」というコンセプトをもとに、スペイン語と英語の似ている単語をご紹介しています。
今回はまとめ記事です。
似ている名詞
- 完全に一致する名詞
英語とスペイン語で、スペルが完全に同じ名詞です。 - ほぼ一致する名詞
英語とスペイン語で、スペルがほとんど同じ名詞です。 - sion – sión
英語の語尾がsion、スペイン語の語尾がsiónで終わる名詞です。 - tion – ción
英語の語尾がtion、スペイン語の語尾がciónで終わる名詞です。 - ty – dad
英語の語尾がty、スペイン語の語尾がdadで終わる名詞です。
似ている動詞
- ほぼ一致する動詞
英語とスペイン語で、スペルがほとんど同じ動詞です。 - +ar, ir, er
英語の動詞の語尾に、arかirかerを追加するとスペイン語になる動詞です。 - ate – ar
英語の語尾がate、スペイン語の語尾がarで終わる動詞です。 - e – ar, ir
英語の語尾がe、スペイン語の語尾がarかirで終わる動詞です。
似ている形容詞
- 完全に一致する形容詞
英語とスペイン語で、スペルが完全に同じ形容詞です。 - ほぼ一致する形容詞
英語とスペイン語で、スペルがほとんど同じ形容詞です。 - al = al
英語とスペイン語の語尾がalで終わる形容詞です。 - ble = ble
英語とスペイン語の語尾がbleで終わる形容詞です。 - ive – ivo
英語の語尾がive、スペイン語の語尾がivoで終わる形容詞です。
似ている副詞
- ly – mente
英語の語尾がly、スペイン語の語尾がmentで終わる副詞です。
単語一覧はそれぞれのリンク先で紹介しています。
現在紹介している単語の数は、合計約4000語です。英単語4000個のスペルを少し変えるだけで、スペイン語の単語を4000個も覚えることができます。発音の違いや微妙な意味の違いはありますが、ゼロからスペイン語の単語を覚えるよりも遥かに簡単なはずです。
英語とスペイン語は似ている単語から勉強すると効率的ですが、似ている単語の多くは、語源が同じ同根語(cognate)です。同根語は意味が同じことが多く、研究によっては、英語とスペイン語は約20%の語彙が共通しているとも言われています。
スペイン語と英語が似ている理由や、言語間の類似性に関しては、以下の記事でもまとめています。
参照 なぜ英語とスペイン語は似ている単語が多いのか
参照 別の言語でも分かり合える「相互理解可能性」とは?
参照 別の言語との類似性を測る「語彙の共通度」とは?
語尾の法則性について
似ている単語には、語尾や接尾辞の変化に法則性があります。この法則性を覚えることで、さらに効率的に単語を覚えることができます。
英語とスペイン語の語尾には以下のような法則があります。
名詞の法則
左が英語、右がスペイン語です。
- ct → cto
(例) act → acto (行ない) - cy → cia
(例) tendency → tendencia (傾向) - ism → ismo
(例) tourism → turismo (観光) - ist → ista
(例) artist → artista (芸術家) - logy → gía
(例) technology → tecnología (科学技術) - nce → ncia
(例) difference → diferencia (違い) - ment → mento
(例) moment → momento (瞬間) - nte → nte
(例) client → cliente (依頼人) - or = or
(例) author → autor (著者) - ry → ria/rio
(例) battery → batería (電池) - sion → sión (単語一覧)
(例) decision → decisión (決定) - tion → ción (単語一覧)
(例) action → acción (行動) - ty → dad (単語一覧)
(例) society → sociedad (社会) - y → ia/io
(例) family → familia (家族) - +母音
(例) map → mapa (地図)
動詞の法則
- + ar, ir, er (単語一覧)
(例) inform → informar (知らせる)
(例) admit → admitir (認める)
(例) defend → defender (守る) - ate → ar (単語一覧)
(例) create → crear (創造する) - e → ar, ir (単語一覧)
(例) use → usar (使用する)
(例) divide → dividir (分ける) - ify → ificar
(例) certify → certificar (証明する) - ize → izar
(例) utilize → utilizar (利用する) - pose → poner
(例) compose → componer (構成する)
形容詞の法則
- al = al (単語一覧)
(例) capital → capital (主要な) - ar = ar
(例) familiar → familiar (親しい) - ble = ble (単語一覧)
(例) possible → posible (可能な) - ic → ico
(例) basic → básico (基礎の) - ical → ico
(例) historical → histórico (歴史の) - id → ido
(例) acid → ácido (酸っぱい) - ive → ivo (単語一覧)
(例) positive → positivo (明確な) - nt → nte
(例) brilliant → brillante (輝く) - ous → oso
(例) curious → curioso (好奇心の強い) - ry → rio
(例) contrary → contrario (反対の) - +母音
(例) just → justo (公正な)
すべての単語にこの法則が当てはまるわけではなく、違う語尾やスペルになることもあります。とはいえ、このような法則を把握しておくことで、より簡単に単語を覚えることができるはずです。
この方法は、英語ネイティブがスペイン語を学ぶ際にも活用されています。英語では、スペルと意味が完全に一致している単語を、Perfect Cognates(完全な同根語)、スペルと意味がほぼ一致している単語を、Near Perfect Cognates(ほぼ完全な同根語)と呼んでいます。
スペイン語と英語は発音が異なるという問題点もありますが、スペイン語の発音は基本的にローマ字読みです。一般的にアルファベットは表音文字ですが、スペイン語は英語ほどスペルと発音が乖離しているわけではありません。
みなさんのスペイン語学習の一助になれば幸いです。
スペイン語と英語の単語集は「分野別」にもまとめています。
英語とスペイン語は「似ている単語」から覚えると効率的です。
スペルが似ているけど実は意味が違う「空似言葉」にも気をつけてください。