日本語になったポルトガル語の外来語一覧【語源・由来】

ベレンの塔ポルトガル語

ポルトガル語は日本語と最も付き合いが長いヨーロッパの言語です。日本とポルトガルの交流は約500年前の室町時代から始まり、現在ではポルトガル語に由来する単語だとは忘れてしまうくらい沢山の言葉が日本語に定着しました。今回は、ポルトガル語の外来語の意味・語源・由来についてご紹介します。

日本語になった外来語一覧
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イギリス Inglez

イギリスの国名はポルトガル語で「イングランド」を意味するInglez(イングレス)に由来します。

本来イングランド(England)は英国(United Kingdom)を構成する4つの地域(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)の一つを指す言葉ですが、日本では英国を指す言葉として定着しています。

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日本に伝わったのは戦国時代頃で、江戸時代にはオランダ語のEngelsch(エングルシュ)がなまった「エングレス」も広まりましたが、ポルトガル語由来の「イギリス」が標準になりました。

オランダ Holanda

オランダの国名はポルトガル語のHolanda(ホラント)に由来します。

ポルトガル語では「h」は無音なので「ho」の発音は「オ」になります。ホラントはオランダ西部にあるホラント州(Holland)のことで、森の地(holt land)という意味があります。

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オランダ語では「低地の国」を意味するNederland(ネーデルラント)が正式な名称ですが、日本では戦国時代にポルトガル人宣教師から伝わった「オランダ」が一般的になりました。

オルガン Órgão

オルガンはポルトガル語のórgão(オルガン)に由来します。

語源には諸説ありますが、英語ではorgan(オーガン)、イタリア語はorgano(オルガーノ)、ドイツ語はorgel(オルゲル)、フランス語はorgue(オルグ)なのでオルガンの発音とは微妙に異なります。語源をさかのぼると、ギリシャ語で「楽器、道具、器官、機関」を意味するorganon(オルガノン)に由来します。英語でも「機関、器官」のことはorganといいますね。

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ちなみに、オルガンの原型は紀元前3世紀頃にエジプトのアレクサンドリアで発明された水オルガン(water organ)であるヒュドラウリス (hydraulis)で、古代ギリシャや古代ローマで普及した後にヨーロッパ全土や日本にも伝わりました。とても古い歴史がありますね。

カースト Casta

カーストはポルトガル語やスペイン語で「血統、家系」を意味するcasta(カスタ)が語源です。

元々インドでは身分制度のことを「生まれ」を意味するジャーティ(jati)と呼んでいました。ジャーティはバラモン(司祭)、クシャトリヤ(王族)、バイシャ(庶民)、シュードラ(隷民)の4つの基本的なヴァルナ(種姓)から構成されています。ところが、15世紀にポルトガル人がヴァルナ(種姓)とジャーティ(身分制度)を混合して同一視し、カースト(血統、家系)とまとめて呼び始めました。カースト制度という言葉は誤用として世界中に広がり定着したわけですね。

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ちなみに英語のcasteもポルトガル語に由来します。語源に誤用や勘違いは付き物ですね。

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カステラ Castella

カステラはポルトガル語で「カスティーリャのパン」を意味するpão de Castella(パン・デ・カステラ)や、「カスティーリャのお菓子」を意味するBolo de Castella(ボロ・デ・カステラ)に由来します。

カスティーリャとは、イベリア半島にかつて存在したカスティーリャ王国(Reino de Castilla)ことで、「カステラ」はそのポルトガル語の発音です。当時、このお菓子は何かと聞いた日本人が、カスティーリャという地域名を食べ物の名前と勘違いしたことから定着したそうです。語源には諸説あり、スペイン語やポルトガル語で「」を意味するcastillo(カスティリョ)やcastelo(カステロ)に由来するという説もあります。

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1557年にカステラの原型となったお菓子がポルトガル人宣教師によって作られた記録が文献に残っているそうです。記録は大切ですね。

カッパ Capa

カッパはポルトガル語で「袖なしの外套、マント」を意味するcapaに由来します。

元々日本では15~16世紀頃に来日した宣教師が羽織っていた「袖がない外衣」のことをカッパと呼んでいました。その後、防寒や防水のために利用されていくうちに、レインコートなどの雨具一般のことも指すようになりました。南蛮文化と共に伝わったので南蛮蓑(なんばんみの)とも呼ばれています。英語のcape(ケープ)と同じ語源です。

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当時は羅紗(ラシャ)で作られ、見た目が豪華なので織田信長豊臣秀吉にも重宝されていました。織田信長が羽織っていた赤いマントもカッパと言われています。江戸時代には紙製や木綿製のものが一般にも普及しました。

カピタン Capitão

カピタンはポルトガル語の「船長」を意味するcapitãoに由来します。

カピタンは江戸時代のオランダ商館長のことを指す言葉ですが、ポルトガルの方がオランダより早く貿易が始まったためポルトガル語由来のカピタンが定着しました。鎖国政策によりポルトガルとの貿易は1639年に禁止になりましたが名称はそのまま使われ続けました。

カボチャ Camboja

カボチャはポルトガル語で「カンボジア」を意味するCambojaに由来します。

16世紀にポルトガル人がカンボジア産のカボチャを日本に持ち込んだことから呼ばれるようになりました。豊後国の大名・大友宗麟に献上した記録が残っているそうです。カボチャの原産はメソアメリカや南アメリカ大陸で、カンボジアが原産というわけではありません。英語ではpumpkinやsquashです。

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地域によっては「ぼうぶら」や「ボーボラ」などの呼び方もありますが、これもポルトガル語で「カボチャ、ウリ類」を意味するabóbora(アボボラ)に由来します。漢字表記の南瓜は中国語の南瓜 (ナングァ)に由来します。

カラメル Caramelo

カラメルはポルトガル語の砂糖菓子「カラメロ(caramelo)」に由来します。

カラメロは砂糖と水を煮詰めたお菓子で、宣教師が航海の長旅から疲労を回復するために食べていたものが日本に伝わったそうです。現在ではプリンのトッピングとして定番ですね。

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語源をさかのぼると、後期ラテン語のcalamellus(茎、杖)や中期ラテン語のcannamella(蜂蜜の杖)、もしくはアラビア語のkora-moħalláh(甘いボール)に由来し、英語のcaramel(キャラメル)と同じ語源になります。

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カルタ Carta

カルタはポルトガル語で「手紙、地図、トランプ」を意味するcartaに由来します。

17世紀頃に日本の貝合わせ(貝覆い)と西洋のカードゲームが融合して現在のカルタになったそうです。語源をさかのぼるとラテン語のcharta(紙、詩)、古代ギリシャ語のkhártēs(紙、本)に由来します。こちらも英語のcard(カード)と同じ語源です。

がんもどき ひりゅうず

がんもどきは「」の肉や、鶏肉のつくねの「丸(がん)」に似せて作られたことに由来します。

関西などでは飛竜頭(ひりゅうず)とも呼ばれますが、この語はポルトガルのお菓子filhós(フィリョース)に由来します。フィリョースは小麦粉と卵などから作られるドーナツのようなお菓子で、ポルトガルやブラジルなどで食べられています。

キリシタン Cristão

キリシタンはポルトガル語で「キリスト教徒」を意味するcristãoに由来します。

元々キリスト教徒全般を指す言葉でしたが、日本ではカトリックやその信者のことを意味しました。英語ではchristian(クリスチャン)、漢字では吉利支丹と表記します。

ギリシャ Grécia

ギリシャはポルトガル語のGréciaに由来します。

以前はゲレシヤギリシヤなどとも呼ばれていましたが現在ではギリシャやギリシアが一般的です。ギリシャの外務省や在日大使館では「ギリシャ」の表記で統一されていますが、一部の人文学や過去の歴史を表す際にはギリシアと表記するそうです。

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ヨーロッパの国名はポルトガル語やオランダ語由来が非常に多いですね。

クルス Cruz

クルスはポルトガル語で「十字架」を意味するcruzに由来します。

クルスは古来から宇宙原理、法、中心などを象徴する印として用いられていました。エジプトでは永遠の命、キリスト教ではキリストのシンボルになっています。

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コップ Copo

コップはポルトガル語のcopoやオランダ語のkopに由来するとされています。

江戸時代にガラス製のコップが日本に伝わったそうですが、1639年からポルトガル船の出入国は禁止されているのでオランダ語由来かもしれません。

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語源をさかのぼると、後期ラテン語のcūppa(杯、樽)やラテン語のcūpa(浴槽、樽)に由来し、英語のcup(コップ)と同じ語源になります。

金平糖 Kompeitō

金平糖はポルトガル語で「砂糖菓子」を意味するconfeitoが語源とされています。

16世紀頃にポルトガルから伝わり、珍しいお茶菓子として全国に普及しました。宣教師のルイス・フロイスが織田信長に謁見した際に、ロウソクやフラスコと共に金平糖を献上した記録が残っているそうです。

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棒状の砂糖菓子の有平糖(あるへいとう)も同時期に伝わりました。ちなみに、英語はsugar candyです。

サラダ Salada

サラダはポルトガル語のsalada、オランダ語やフランス語のsalade、英語のsaladなどに由来するとされています。

ポルトガル語由来の外来語が日本に伝わったのは主に室町時代から安土桃山時代でしたが、江戸時代以前の日本は生野菜を食べる習慣がなかったので、幕末から明治時代に影響が高くなったフランス語や英語に由来するかもしれません。

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サラダは元々ラテン語で「」を意味するsal(サル)、「塩を加える」を意味するsalare(サラーレ)が語源です。これは古代ギリシャや古代ローマで生野菜に塩をかけて食べる習慣があったことに由来します。

シャボン玉 Sabão

シャボン玉は「石鹸」を意味するポルトガル語のsabão(サボン)もしくは中世スペイン語のxabón(シャボン)に由来します。

現在のスペイン語で石鹸はjabón(ハボン)と言いますが、16世紀頃の中世スペイン語ではxabón(シャボン)と言いました。そのため発音的にはスペイン語由来の方が有力かもしれません。

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ちなみにシャボン玉はポルトガル語では「bolha de sabão」、スペイン語では「pompa de jabón」です。bolhaとpompaは泡のことです。

ジョウロ Regador

ジョウロはポルトガル語で「噴出」を意味するjorroが語源です。

語源をさかのぼるとポルトガル語で「噴出する」を意味するjorrar、スペイン語で「流れ、噴射」を意味するchorro(チョロ)に由来します。スペイン語のchorroはオノマトペ(擬態語)で、自然の音から形成された単語です。英語でジョウロはwatering canです。

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日本語でも水が少しずつ流れることをチョロチョロと言いますが、スペイン語やポルトガル語のオノマトペと似ていますね。

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タバコ Tabaco

タバコはポルトガル語やスペイン語の「tabaco」に由来します。

タバコは南北アメリカやカリブ地域で古くから利用されていて、一説によると、カリブ海のタイノ族の言語で「タバコの葉を巻いたもの」や「タバコを吸うパイプ」を指した語が語源だそうです。ただ、語源には諸説あり、アラビア語で「薬草」の一種を指す「tabāq」に由来するという説もあります。

ヨーロッパに伝わったのは1560年頃で、フランスの外交官ジャン・ニコ(Jean Nicot)が「不思議な薬」としてフランスに持ち帰ったのが最初だそうです。始めは観賞用でしたが万能薬としてアフリカやヨーロッパに広がり、16世紀にはアフリカやアジア、そして日本へ伝わりました。

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話者地域が異なるタイノ語とアラビア語で似たような語が使われていたのは偶然とされていますが、何か関係はあるかもしれませんね。

タピオカ Tapioca

タピオカはブラジル先住民の言語のトゥピ語で「でんぷんの沈殿物」のことをtapi’okaと呼んでいたことに由来します。

1500年頃にこの地を訪れたポルトガル人がキャッサバの根から製造したデンプンをtapiocaと呼んだことから広まりました。現在ではタピオカで作られるお菓子のことも指しますね。

チャルメラ Charamela

チャルメラはポルトガル語のcharamelaに由来します。

チャルメラの起源はイスラム諸国で使われた楽器スルナイで、16世紀頃に中国から日本に伝わりました。この楽器を江戸時代に来日したポルトガル人が木管楽器のショームを意味するcharamelaと呼んだことから、チャルメラと呼ばれるようになりました。ショームはオーボエの祖先にあたる木管楽器です。

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語源をさかのぼると古代ギリシャ語のkálamos(菖蒲、葦、杖)という言葉に由来します。この語はcaramel(キャラメル)やcaramelo(カラメル)とも同じ語源です。という語は食べ物や楽器など色々な言葉に派生しているんですね。

チョッキ Jaqueta

チョッキはポルトガル語のjaqueta(ジャケット)、フランス語のjaque、英語のjackなどに由来します。

一説によると「直接着る」ことから日本語で直着(ちょくぎ)と呼ぶようになったとも言われています。チョッキは明治時代に定着した言葉ですが、1960~70年代頃から殆ど使われなくなり、現在では英語由来のvest(ベスト)が一般的です。

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ちなみに、イギリスではwaistcoat(ウェストコート)、フランスではgilet(ジレ)とも呼ばれます。

てんぷら Tempero

てんぷらの語源は諸説あり、ポルトガル語の寺院(templo)調味料(tempero)などに由来するとされています。

一説には、てんぷらがお肉を使わない精進料理だったため、「寺院のような料理」ということから「テンプロ」と呼ばれるようになったのだそうです。諸説が多く定説はありませんが外来語(特にポルトガル語)である説が有力です。

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トタン Tutanaga

トタンはポルトガル語で「亜鉛」を意味するtutanaga(ツタンナガ)が語源といわれています。

トタンは屋根などの建築資材として使用されている「亜鉛めっき鋼板」のことで、江戸時代の1712年に完成された百科事典『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』に「亜鉛」の語が初めて記載されました。当時は亜鉛のことをトタンと呼んでいたそうです。ちなみに現在のポルトガル語で亜鉛のことはzincoというそうです。

ドトールコーヒー

ドトールコーヒーのドトールはポルトガル語で「医者、博士」を意味するdoutor(ドトール)に由来するそうです。創業者の鳥羽博道氏が、ブラジルのコーヒー農園で働いていた時の下宿先の住所名に因むそうです。

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ちなみにコーヒーはオランダ語のコーフィー(koffie)に由来します。

トルコ Turco

トルコはポルトガル語で「トルコ人、トルコの」を意味するturcoに由来します。

トルコ語ではTürkiye(テュルキエ)、英語ではTurkey(ターキー)といいますが、16世紀頃にイギリスやオランダなどの国名とともにポルトガルから伝わりました。トルコ語のTürkiyeは元々トルコに住んでいた「トルコ人」のことを指した語で、最終的にはテュルク祖語のtüri-(系統、祖先)という言葉に由来します。テゥルク人やチュルク人は中央アジアに住んでいたトルコ人の祖先です。

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ちなみに七面鳥も英語でturkeyと言いますが、トルコ経由でヨーロッパに輸入されたことに由来するそうです。

バッテラ Bateira

バッテラはポルトガル語で「小舟」を意味するbateiraが語源といわれています。

幕末から明治時代にかけて洋式の端艇(ボート)をポルトガル語由来の言葉でバッテラ(bateira)と呼んでいました。1893年に大阪のとあるお寿司屋さんで安いコノシロを使った押し寿司を考案した際に、形が小舟に似ていたことからバッテラと名付けたことに由来するそうです。

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現在ではバッテラといえばサバが有名ですが、コノシロが高騰したためサバが代用として使われるようになったからだそうです。

パン Pão

パンはポルトガル語で「パン」を意味するpãoの音写です。

パンは戦国時代の1543年に種子島に漂着したポルトガル人によって鉄砲と共に伝わったそうです。昔は中国語由来で「蒸餅、麦餅、麦麺、焙菱餅、麺包」などとも表記されましたが、ポルトガル語のパンが一般的になりました。

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語源をさかのぼるとラテン語のパン(panis)に由来し、これがポルトガル語のpão、フランス語のpain、スペイン語のpan、イタリア語のpaneに派生しました。英語はbreadでゲルマン語由来です。

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ビロード Veludo

ビロードはポルトガル語のveludo(ベルード)に由来します。

16世紀頃にポルトガル人によって伝わり、ベルードがなまってビロードと呼ばれるようになりました。定かではないですが、イタリアのベルッティ家によって発明されたからという説もあります。英語ではvelbet(ベルベット)と言います。

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語源をさかのぼると、ラテン語のvillus, vellutus(毛むくじゃら)やvellus(動物の皮)に由来します。漢字では高い品質から「白い天の鳥」を意味する天鵞絨(てんがじゅう)と書きます。

ピン Pinta

ピンはポルトガル語で「点、印、母斑(ぼはん)」を意味するpintaが語源です。

日本語では1人や1つしかないことを指し、ピン芸人、ピンからキリまで、ピンハネ、サイコロの1の目などに使われています。

例えば、ピンハネという言葉は「1割をかすめ取る」ことから名付けられました。ピンからキリまでという言葉は西洋カルタに由来し、1の札をピン、12の札をキリと呼んだことに因みます。キリの語源は日本語の「切り、限り」とする説が有力ですが、ポルトガル語で十字架を意味する「cruz」とする説もあります。これは十字架の十の数字の区切りが良いことから、終わり(きり)と解釈したとする説です。

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ポルトガル語のpintaは「描く、染める」を意味する動詞pintarに由来し、英語のpaint(絵具)やpicture(絵)と同じ語源です。

ブラジル Brasil

ブラジルの国名はポルトガル語で「赤い木」を意味するpau-brasil(パオ・ブラジル)という樹木の名前に由来します。

pauは「木、木材」、brasilは「赤色(残り火の色)」を意味します。パオ・ブラジルはbrazilwood(ブラジルボク)ともいい、この木から取れる紅色の色素ブラジリンは赤色の染料として利用されていました。ポルトガルの植民地だった頃のブラジルでこの木が大量に見つかったことから、この名前が国名になったと言われています。

ブラジルの国名は元々「真の十字架(ヴェラ・クルス)の島」を意味する「Ilha de Vera Cruz」や「聖十字架(サンタ・クルス)の地」を意味する「Terra de Santa Cruz」 と呼ばれていましたが、命名に対する反発が起こったこと、染料として利用されるパオ・ブラジルが見つかったことからブラジルと呼ばれるようになりました。

フラスコ Frasco

フラスコはポルトガル語で「ボトル、瓶」を意味するfrascoが語源です。フラスコは実験に使われる主にガラス製の器具で、平底、丸、三角などの種類があります。英語はflasksです。

ブランコ Balanço

ブランコの語源には諸説あり、ポルトガル語で「ブランコ、揺れる」を意味するbalançoに由来すると言われています。

この語はラテン語のbilanx(2枚のはかり皿)という言葉に由来し、英語のbalance(バランス)と同じ語源です。ポルトガル語のbranco(白)やスペイン語のblanco(白)に由来するという説もありますが、語源から見ると関係性は低そうです。

他の説には日本語の「ゆさぶり」や擬態語の「ぶらり、ぶらん」が変化したとする説もあります。ブランコは平安時代には中国から日本へ伝わっていたそうですが、ブランコと呼ばれるようになったのは江戸時代頃からです。室町時代~江戸時代にポルトガル語の影響が高まったことを考えると、ポルトガル語由来の説が有力かもしれません。同じロマンス諸語のフランス語でも同じ語源のbalançoire(バロンソワール)が使われています。英語はswingです。

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ブランコの歴史は古く、紀元前3000年頃のメソポタミアや、古代ギリシャ、インド、中国などにもあり、豊穣儀礼などの儀式で用いられたそうです。

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ベランダ Varanda

ベランダの語源には諸説ありますが、ポルトガル語のvarandaが語源とされています。

varandaの語源をさかのぼると、スペイン語のbaranda(手すり)や、ラテン語のvāra(フォーク、三脚)に由来し、英語のvarious(様々な)やvary(変える)と同じ語源です。varandaという語は15世紀頃からポルトガルで使われ、16~17世紀頃にポルトガル人やスペイン人によってインドに持ち込まれました。高温多湿のインド南部では暑さを緩和するためにインド式のベランダが開発され、18世紀にイギリスの植民地になった時にヨーロッパに逆輸入されました。ヒンディー語ではbarāmadaと言い、ポルトガル語由来の外来語になります。

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類似語にバルコニー、テラス、ポーチがありますが、一般に屋根があるものをベランダ、屋根がないものをバルコニー、1階にあるものをテラス、玄関先にあるものをポーチと区別しています。

ボサノヴァ Bossa Nova

ボサノヴァ(ボサノバ)はポルトガル語で「新しい感覚、新しい傾向」を意味するbossa novaが語源です。

ポルトガル語でbossaは「こぶ、塊、隆起」、novaは「新しい」を意味します。ボサノヴァは1950年代にブラジルで生まれた音楽ジャンルの一つで、ジャズの影響を受けて発展したサンバの新しい形態です。

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これまでの熱狂的なサンバとは対照的に、ジャズの影響を受けた落ち着いた感覚のハーモニーが特徴的です。

ボタン Botão

ボタンはポルトガル語のbotãoが語源とされています。

日本では江戸時代にポルトガル語のブタンに従ってボタンと呼ばれるようになりました。ポルトガル語のbotãoも英語のbuttonも、語源をさかのぼると古フランス語(boton)に由来し、英語のbud(つぼみ)やbeat(打つ)などと同じ語源になります。

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ボタンの歴史は古く、貝殻で出来た装飾用のボタンは紀元前2000年前頃にインダス文明で使われていたそうです。留め具のボタンは13世紀にドイツで登場し、体にフィットする衣服が登場するにつれてヨーロッパで普及しました。

ポン・デ・リング

ポルトガル語でポン・デ・リングは「リング状のパン」という意味があります。

ポン・デ・リングとはミスタードーナツが発売しているもちもちのドーナツで、ブラジルのpão de queijo(ポン・デ・ケイジョ)を元にして作られました。ポン・デ・ケイジョは「チーズのパン」という意味があります。

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ちなみにリングは英語です。ポルトガル語でリングはanelです。

マングローブ Mangue

マングローブはポルトガル語のmagueやスペイン語のmangleが語源とされています。

語源をさかのぼると、南アメリカの先住民グアラニー族やカリブ海の先住民タイノ族の言語が由来とされていますが、正確なことは分かっていません。その他の説には、マレー語で「海岸の樹木」の総称を意味するmangi-mangi(マンギ・マンギ)に由来するともいわれています。

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マングローブは世界各地に分布し、日本では沖縄県や鹿児島県などで見られます。英語も同じ語源のmangroveで、集合体はmangrove thicket(マングローブ林)です。

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マンゴー Manga

マンゴーはポルトガル語のmangaや英語のmangoが語源といわれています。語源をさかのぼると、マレー語のmangga、タミル語のmāṅkāyに由来します。紀元前からインドやインドネシアなどで栽培されており、仏教では聖なる樹、ヒンドゥー教では宇宙万物の創造神プラジャーパティの化身とされているそうです。

ミイラ Múmia

ミイラはポルトガル語で「没薬(もつやく)」を意味するmirraが訛った語です。

没薬とは、お香鎮痛剤ミイラの防腐剤などで利用されていた植物性のゴム樹脂のことです。語源を遡ると、アラビア語のmumiyah(エンバーミング)、ペルシア語のmumiya(アスファルト)やmum(ワックス) などの言葉に由来します。エンバーミングとは、遺体の保存処理のことです。英語も同じ語源のmummyです。

ミサ Missa

日本語のミサはポルトガル語のmissaが語源といわれています。

この言葉は式の最後で言われるラテン語のフレーズ「Ite, missa est.(イテ・ミサ・エスト)」に由来するそうです。元々の意味は「行け、汝らは去らしめられる」で、近年では「行け、ミサを終わります」などとも訳されるそうです。

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ミサはカトリック教会において、最後の晩餐に由来する最も重要な典礼の一つで感謝の祭儀とも呼ばれています。英語も同じ語源のmassです。

ヨーロッパ Europa

ヨーロッパはポルトガル語のEuropa(エウロパ)に由来します。

室町時代~江戸時代にエウロパという語が伝わり、「えうろつは」と表記され、「エウロッパ」と発音されました。その後「エウ」が「ヨー」に変化して「ヨーロッパ」になったとされています。

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そもそも何故ヨーロッパと呼ばれているのかは諸説あり、ギリシャ神話に登場するフェニキア王女エウローペー(europe)や、ギリシャ語の広い目(eurús+óps)、古代アッシリア語の日没、西(ereb)などの言葉が語源とされています。

羅紗 Raxa

ラシャはポルトガル語で「毛織物」を意味するraxa(ラーシャ)が語源です。

室町時代末期の16世紀頃に南蛮貿易によってポルトガル船から輸入されました。ラシャは厚手の毛織物の一種で、密に織って起毛させているので織り目がないのが特徴です。丈夫で保温性が高いため外套や羽織として用いられ、明治時代には防寒用の軍服などで利用されました。

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現在では減少傾向ですが、乗馬用のズボンや帽子などで利用されています。ビリヤード台に敷かれている緑のシートもラシャと呼んでいます。

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リオ・デ・ジャネイロ Rio de Janeiro

リオ・デ・ジャネイロはポルトガル語で「1月の川」という意味があります。

ポルトガル語でrioは「」、Janeiroは「1月」のことです。なぜ1月かというと、1502年1月にポルトガル人の探検家がこの地を発見した月に由来するそうです。リオ・デ・ジャネイロはリオのカーニバルや巨大なキリスト像があるコルコバードの丘で有名な都市で、1960年にブラジリアに代わるまでブラジルの首都でした。

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ちなみにリオ・デ・ジャネイロの住人をポルトガル語でcarioca(カリオカ)と言いますが、これはブラジル先住民のトゥピ語で「白人の家」を意味する言葉です。

ロザリオ Rosário

ロザリオはポルトガル語のrosárioに由来します。語源をさかのぼると、ラテン語のrosarium(バラ園、バラの花冠)という言葉に由来します。rosaは「バラ」、-āriumは「~するための場所」のことです。英語も同じ語源のrosaryです。

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まとめ

今回は「日本語になったポルトガル語の外来語」の意味・語源・由来を一覧形式でご紹介しました。紹介した単語の中にはポルトガル語だけが語源ではないものもありますが、日本語にはポルトガル経由もしくはポルトガル語の発音で伝わったため「ポルトガル語の外来語」に区分しています。

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