今回は英語の接尾辞-enの意味と由来をご紹介します。
「語尾が-enで終わる英単語」についてはこちらでまとめています。
接尾辞-enの意味と由来
接尾辞-enが持つ意味と由来は凡そ以下の通りです。
- 過去分詞(不規則動詞)
例: broken (壊れた)
由来: 中/古英語-en ← ゲルマン祖語-anaz
- 形容詞(~性の/~製の)
例: wooden (木製の)
由来: 中/古英語-en ← ゲルマン語-inaz
- 動詞(~にする/~なる)
例: hasten (急ぐ)
由来: 中英語-nen ←古英語-nian ← ゲルマン祖語-inojan
- 名詞(複数形)
例: children (子供たち)
由来: 中英語-en ← 古英語-an ← ゲルマン祖語-an-/-in-
- 名詞(指小辞)
例: kitten(子猫)
由来: 中/古英語-en ← ゲルマン祖語-inam/-inaz
参照:-en – Etymonline, -en – Wiktionary
-enの最も一般的な役割は、不規則動詞から過去分詞を作ることです。例として、fallからfallen(落ちた、倒れた)、writeからwritten(書かれた、文書の)、breakからbroken(壊れた、故障した、崩壊した)などの単語があります。
その他にも、名詞から「~性の/~製の」を表す形容詞や、名詞や形容詞から「~にする/~なる」を表す動詞を作る働きもあります。
接尾辞の-enの由来を振り返ると、基本的にはどれも英語の母体となったゲルマン祖語に由来します。とはいえゲルマン祖語では、それぞれ異なる意味や綴りを持っていました。中期英語や古期英語ではいくつかの接尾辞が-enや-anと表記されるようになり、徐々に-enに統一されていきました。接尾辞の-enが複雑な意味を持っているのは、元々違う由来や意味を持つ接尾辞が、同じ-enの表記になったからです。
このような例は英語ではよくあることで、例えば、-erや-idなども複数の意味や語源を持っています。
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接尾辞は品詞を区別するのに有用な手段で、TOEICなどにも役立ちますが、-enのように複数の品詞を作る接尾辞には注意が必要ですね。英語は同じ単語に複数の品詞が含まれる(conversion)が非常に多い言語です。接尾辞の-enに関して言えば、複数の意味があると言っても5つだけですし、頻出単語もそこまで多くないので、使い方も単語も全部覚えてしまった方が手っ取り早いかもしれません。