【英西同時学習】実はスペイン語に由来している英単語12選

バルセロナ

英語とスペイン語には似ている単語が結構あります。英単語の約50%はフランス語やラテン語に由来していますが、実はスペイン語とも約20%の単語が共通しているからです。今回は、似ている単語の中でも特に「スペイン語に由来する英単語」についてご紹介したいと思います。例文も作成したので英西同時学習の一助になれば幸いです。

参照:スペイン語と英語の似ている単語
参照:なぜ英語とスペイン語は似ている単語が多いのか

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スペイン語由来の英単語

スペイン語から英語に取り入れられた単語は、Spanish loan words(スペイン語の借用語)とも呼ばれています。単語の意味・由来・語源に関しては、Online Etymology DictionaryWiktionary、ジーニアス英和大辞典などを参考にしています。

breeze そよ風

英語のbreeze(微風、そよ風)は、スペイン語のbrisa(そよ風、微風、北東風)に由来しています。Online Etymology Dictionaryによると、1560年代に古いスペイン語のbriza(冷たい北東の風)が航海用語として英語に伝わったそうです。

英語 There’s a nice breeze.
西語 Hay una brisa agradable.
和訳 心地良いそよ風が吹く。

nice breezeとbrisa agradableの部分を見てみると、英語の語順は形容詞+名詞ですが、スペイン語は名詞+形容詞で英語とは違うので注意が必要です。

英語とスペイン語を勉強する時に注意すべき3つのこと
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breezeやbrisaを使った熟語には、soft breezes(そよ風)、cool breeze(涼風)、スペイン語ならbrisa fresca(涼風)、brisa marina(海風)、brisa de tierra(陸風)などがあります。スペイン語の場合、brisaに修飾する形容詞をつけなくても「そよ風」という意味で使います。

canyon 渓谷

英語のcanyon(渓谷、深い割れ目)は、スペイン語のcañón(大砲、パイプ、軸、渓谷)に由来しますが、スペイン語ではより多義的な意味で使われています。

英語 The Grand Canyon is in northern Arizona.
西語 El Gran Cañón está en el norte de Arizona.
和訳 グランドキャニオンはアリゾナ州北部にあります。

英語には1834年頃にメキシコのスペイン語から取り入れられましたが、アメリカ南部はスペインやメキシコ領だった時代もあるので、今でもスペイン語由来の地名が数多く残っています。例えば、Arizona(アリゾナ)という州名はスペイン語のarida zona(乾燥地帯)に由来するという説があります。

cargo 船荷

英語のcargo(船荷、積み荷)は、スペイン語のcargo(任務、地位、役目、責任)やcargar(荷を積む)に由来し、1650年代頃から使われています。

英語 a cargo ship
西語 un barco de carga
和訳 貨物

スペイン語で「船荷」は、cargo(任務)ではなくcargamento(船荷)やcarga(積荷、重荷、負担)と言います

cargoの用法は、英語ではcargo ship(貨物船)やcargo aircraft(貨物機)などのように「船荷」に関する派生語が多いですが、スペイン語では「Lo dejo a tu cargo.(君に任せるよ)」や「Me cargo con este trabajo.(私がこの仕事を担当します)」のように「担当」という意味でも良く使われています。

mosquito 蚊

mosquito(蚊)はスペイン語のmosquito(蚊)やmosca(ハエ)に由来し、1580年代頃から使用されています。

英語 The most dangerous animal may be the mosquito.
西語 El animal más peligroso puede ser el mosquito.
和訳 最も危険な動物はかもしれない。

スペイン語の「-ito」は「小さいこと」を意味する指小辞です。つまりmosquitoを直訳すると「小さいハエ」という意味になります。

patio 中庭

patio(中庭)はスペイン語のpatio(中庭、1階)に由来し、1818年頃から使用されています。

英語 The hotel has a very nice patio.
西語 El hotel tiene un patio muy bonito.
和訳 ホテルには素敵な中庭がある。

英語のpatioには「中庭」という意味がありますが、どちらかというと「スペイン風の中庭」のことを指すので、一般的な中庭のことならcourtyardの方が適切かもしれません。

platinum プラチナ

platinum(白金、プラチナ)はスペイン語のplatina(小さな銀)に由来し、1812年頃から使われています。

英語 Platinum looks like silver.
西語 El platino parece plata.
和訳 プラチナは銀のように見える。

一説によると、スペイン人が南米で見つけたplata(銀)に似た鉱物を「小さな銀」や「銀のようなもの」を意味するplatinaと呼んだことに由来するそうです。スペイン語でプラチナは男性名詞のplatinoです。

plaza 広場

plaza(広場)はスペイン語のplaza(広場、市場、席、スペース)に由来し、1830年頃から使われています。

英語 It’s a very beautiful plaza.
西語 Es una plaza muy hermosa.
和訳 とても美しい広場です。

pla~から始まる単語には「広がり」に関するものが多くあります。plazaの語源をさかのぼると、インド・ヨーロッパ祖語の「広がり(*plat-)」という言葉に由来するのですが、plane(平面、飛行機)、place(場所)、plant(植物)、plate(皿)、platform(プラットフォーム)などと同じ語源になります。どれも「何かが広がっているイメージ」がしますよね。

pronto すぐに

pronto(すぐに)はスペイン語のpronto(すぐに、早く、即座の、用意のできた)に由来し、1850年頃から使われています。

英語 I’ll be back pronto.
西語 Volveré pronto.
和訳 すぐに戻るよ。

英語の場合、at onceやquicklyの方が良く使うかもしれません。日本語でもお店や会社の名前でprontoという言葉をたまに見かけますが、イタリア語の「pronto(準備ができた)」に由来することが多いそうです。

ranch 牧場

ranch(牧場、放牧場、農場)はスペイン語のrancho(給食、キャンプ、牧場、小屋)に由来し、1808年頃から使用されているそうです。

英語 He owns a big ranch.
西語 El tiene un gran rancho.
和訳 彼は大きい牧場を持っている。

ranchはイギリスではなく主にアメリカ合衆国で使われています。また、ranchoも主にスペインではなく南米使われているので、どちらもアメリカ大陸で使われている単語といえます。イギリス英語とアメリカ英語の違いは、スペイン語の影響で更に広がっていくのかもしれませんね。

salsa ソース

salsaはスペイン語のsalsa(ソース)に由来します。1846年頃から音楽のジャンルとしてのサルサ、1975年から液状調味料としてのサルサが使われるようになりました。

英語 This salsa goes well with everything.
西語 Esta salsa va bien con todo.
和訳 このサルサは何にでも合う。

salsaはソース全般というより、タコスなどで使うメキシコやラテンアメリカ系のソースを指します。例えばアメリカの料理番組「MasterChef」などでも、ラテン系のソースを「サルサ」と呼んでいます。サルサには色々な種類がありますが、トマトや唐辛子で作られるsalsa roja(赤いサルサ)などが有名です。

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tornado トルネード

tornado(トルネード)はスペイン語のtronada(雷雨)、tronar(雷が鳴る)に由来し、1550年代から使われているそうです。

英語 A tornado is coming.
西語 Un tornado se acerca.
和訳 が来ている。

語源は女性名詞のtronada(雷雨)ですが、男性名詞であるtornado(竜巻)もスペイン語で使われています。ハリケーン(hurricane)やエルニーニョ現象(el niño)もスペイン語や南米先住民言語に由来するので、アメリカ大陸には気象に関する用語が多いですね。

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vanilla バニラ

vanilla(バニラ)はスペイン語のvainilla(バニラ、小さな鞘)に由来し、1660年代頃から使用されているそうです。

英語 A vanilla ice cream with chocolate, please.
西語 Un helado de vainilla con chocolate, por favor.
和訳 チョコ入りのバニラアイスを1つお願いします。

スペイン語由来の単語は食べ物に関するものも多いですね。南米特有の植物や食べ物は、15世紀にコロンブスがアメリカ大陸に到着して以降、スペイン語でヨーロッパ各地に伝わったことが大きいな要因です。

アメリカの州名や地名

スペイン語はアメリカの州名や地名にも使われています。

アメリカ南部の一部は以前スペインやメキシコ領だったため、現在でもスペイン語由来の地名を引き継いでいるからです。

例えば、スペイン語でコロラド(Colorado)は「赤い、赤みを帯びた」、フロリダ(Florida)は「花の咲いている」、ラスベガス(Las Vegas)は「肥沃な草原」、ロサンゼルス(Los Angeles)は「天使たち」、ネバダ(Nevada)は「雪に覆われた」、モンタナ(Montana)は「山」を意味します。

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スペイン語由来の地名を探すのも面白いですね。

まとめ

今回はスペイン語が語源の英単語をご紹介しました。

スペイン語から英語に伝わった背景には、①アメリカとメキシコ、スペインとイギリスが地理的に近接していること、②アメリカ南部が以前スペインやメキシコ領だったこと、などの要因が挙げられます。

英語とスペイン語は、共通している単語や似ている単語から勉強すると効率的に語彙が増やせて良いですね。「英語とスペイン語の似ている単語」については、別の記事でもまとめているのでよければ英西同時学習の参考にしてください。

スペイン語と英語の似ている単語【まとめ】
このシリーズでは、「知っている英単語でスペイン語を覚えよう!」というコンセプトをもとに、スペイン語と…
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