今回は英語の接尾辞-tionの意味と由来をご紹介します。
「語尾が-tionで終わる英単語」についてはこちらでまとめています。
接尾辞-tionの意味と由来
接尾辞の-tionが持つ意味と由来は凡そ以下の通りです。
- 名詞(動作・状態・結果)
例: action (行動)
語源: 中英語-cioun ← 古フランス語-tion/-cion ← ラテン語-tio
参照:-tion – Etymonline, -tion – Wiktionary
-tionはラテン語に由来する単語で使われ、動詞から名詞を作る働きがあります。
例えば、act(行動する)→ action(行動)のような動作や、satisfy(満足させる)→ satisfaction(満足)のような状態に関する単語を作ります。
-tionは、同じく名詞を作る接尾辞-ionの派生形です。-ionの派生形には、次のような接尾辞がありますが、どれも名詞を作ります。
色々なタイプがありますが、法則性もあります。例えば、-ateで終わる動詞なら-ationに、-ifyで終わる動詞なら-ificationに、-izeで終わる動詞なら-izationになります。
現代英語では-tionと-ationで終わる単語がほとんどです。「接尾辞から覚える英単語集」では、2022年11月4日現在、約4800単語を紹介していますが、どの-ionで終わる単語が多いのかを調べてみると、やはり-tionと-ationが圧倒的に多いようです。
接尾辞 | 単語数 |
---|---|
-ion | 22 |
-sion | 88 |
-tion | 187 |
-ation | 253 |
-ification | 19 |
-ization | 19 |
-cion | 0 |
-xion | 0 |
※単語集では難しい単語を除外しているので単語数はあくまで参考です。
-xionで終わる単語が0ですが、主にイギリスで用いられています。例えば、connexion(連結)やcomplexion(顔色)のような単語です。connexionは14世紀頃に古フランス語を経由して英語に伝わりましたが、現代フランス語でもconnexionと表記します。connectionは18世紀頃からアメリカで使われるようになり、イギリス英語と区別化されるようになりました。
イギリス英語では、フランス語の影響によって-izeで終わる動詞が-iseと表記されるようになったように、地理的に隣接しているフランス語の影響は大きいようです。
-cionの表記もフランス語の影響ですが、現在英語ではそれほど使われていません。例えば、suspicion(容疑)やcoercion(強制)などの単語です。
複数の品詞を作る-ateや-erなどと違い、-tionが作る品詞は名詞です。比較的にわかりやすい接尾辞なので覚えやすいですね。-tionから形容詞になる場合は-tionalに、副詞になる場合は-tionallyに代わります。-tionalの最後の-alは形容詞を作る接尾辞、-tionallyの最後の-lyは副詞を作る接尾辞なので、構造はわかりやすいですね。
- tion(名詞)
- tion + al = tional(形容詞)
- tion + al + ly = tionally(副詞)
接尾辞を使えば様々な品詞に変えることができるので、語彙数を簡単に増やすことができます。ぜひ接尾辞を有効活用して英語力の向上に繋げたいですね。