英単語で最も頻繁に使われるアルファベットは何か

アルファベット

今回は「英単語で最も使われているアルファベットとその理由」についてご紹介します。

Lexicoによれば、英語辞典『Concise Oxford English Dictionary(第11版、2004年)』で使われている24万以上の英単語を分析したところ、英単語で最も頻繁に使われているアルファベットはEだったそうです。分析した単語のうち、約11%の文字がEでした。

次の表は「英語辞典で最も使用されているアルファベット」のランキングと割合です。

英単語で最も頻繁に使われているアルファベット(英語辞典)

文字 割合 文字 割合
E 11.16% M 3.01%
A 8.50% H 3.00%
R 7.58% G 2.47%
I 7.54% B 2.07%
O 7.16% F 1.81%
T 6.95% Y 1.78%
N 6.65% W 1.29%
S 5.74% K 1.10%
L 5.49% V 1.01%
C 4.54% X 0.29%
U 3.63% Z 0.27%
D 3.38% J 0.20%
P 3.17% Q 0.20%

出典:“Which letters in the alphabet are used most often?” Lexico

多い順に、E, A, R, I, Oという結果でした。

このデータは辞書に載っている単語から分析した結果なので、普段あまり使われていない難しい単語も含まれています。そこで本を使った結果も見てみたいと思います。次の表は、アメリカの計算機科学者ピーター・ノーヴィグ(Peter Norvig)氏が、Googleブックスで使われた約3兆5635億(3,563,505,777,820)の文字をもとに、どのアルファベットが最も使われているのかを計算したものです。

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英単語で最も頻繁に使われているアルファベット(Googleブックス)

文字 割合 文字 割合
E 12.49% M 2.51%
T 9.28% F 2.40%
A 8.04% P 2.14%
O 7.64% G 1.87%
I 7.57% W 1.68%
N 7.23% Y 1.66%
S 6.51% B 1.48%
R 6.28% V 1.05%
H 5.05% K 0.54%
L 4.07% X 0.23%
D 3.82% J 0.16%
C 3.34% Q 0.12%
U 2.73% Z 0.09%

出典:“English Letter Frequency Count” Peter Norvig

こちらは多い順に、E, T, A, O, Iという結果でした。

辞典は、E, A, R, I, O, T, N, S
書籍は、E, T, A, O, I, N, S, R

1位はEでどちらも同じ結果でした。8位までの順位も多少前後しますが、どちらも同じアルファベットがランクインされているので、ほとんど同じ結果と言えそうです。

ところで、なぜ英単語ではEが最も多く使われているのでしょうか。

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eが使われる単語は頻出度が高い

単純にeが使われている単語は頻出度が高いという理由が考えられます。例えば、the, be, have, take, make, like, get, one, when, time, thereなどの頻出単語や、they, we, he, she, her, me, their などの代名詞/所有代名詞などがあげられます。「最も使われる英単語ランキングTOP100」には、これ以外にもeが使われている単語がたくさんあります。

eは発音がしやすい

そのほかに考えられるのは、eは発音がしやすいという理由です。日本語の場合でも、ら抜き言葉のように、発音しにくい言葉が自然と話されなくなっていくように、発音しやすい言葉が生き残ったという理屈です。

サイレントe/マジックe

サイレントe(マジックe)の影響も考えられます。

サイレントeとは、名前の通り、単語の最後にある発音しないeのことです。サイレントeの中でも、eの直前の母音を長母音に変える、つまりアルファベットの発音に変える役割があるものをマジックeと呼びます。例えば、make, take, life, writeなどの単語です。サイレントe/マジックeは、eの直前の母音がアルファベット読みであることを示す印としても使われています。

ちなみに、「英単語の最後に使われている文字」も、eが最も多い結果になっています。

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eが使われる接頭辞/接尾辞

eが使われている接頭辞接尾辞にもよく使われるものがたくさんあります。

eが使われてる接頭辞(プレフィックス)には、「中」を意味するen-, em-、「下」を意味するde-、「前」を意味するpre-、「外」を意味するex-、「再び」を意味するre-などがあります。どれも単語の意味を決める重要な接頭辞ばかりです。

eが使われている接尾辞(サフィックス)には、過去形を作る-ed、「~できる」を作る-ble、動詞や形容詞などを作る-ate、形容詞を作る-tive、動詞を作る-izeなどがあります。こちらも単語の意味や品詞を決定付ける重要な接尾辞ばかりです。

参考 英語学習に役立つ接頭辞一覧
参考 英語学習に役立つ接尾辞一覧

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E以外のアルファベット

E以外のアルファベットについても少し見てみたいと思います。

Eの次に多いのは、A, R, I, O, Tでした。比較的に母音字の割合が高く、合計すると全体の約38%でした(参照:英単語には母音字がどれだけ使われているのか)。

一方、アルファベットの後半Jはほとんど使われていません。これは英語に追加された時期が遅かったのも一因のようです。というのもアルファベットが26文字になったのは16世紀頃で、紀元前に作られたとされるアルファベットは当初22文字で構成されていたからです。後からアルファベットに追加された文字は、Y, Z, V, U, W, Jです。母音として使用され始めたUは11位まで順位を上げましたが、それ以外の文字の頻出度は1%程度かそれ以下になっています。

ごがくねこ
ごがくねこ

文字頻度の分析は、クロスワード、穴埋め問題、Wordle(ワードル)などでも有効です。もし困ったらE, A, R, I, O, Tを優先して入れてみるのも1つの方法かもしれません。

このような膨大なデータベース(コーパス)を活用した英単語の研究には、以下のような調査もあります。

参考 英単語で最も使われる頭文字
参考 英単語で最も使われる最後の文字
参考 英単語の平均的な文字数はいくつか
参考 英語にはいくつの単語があるか

参考 最も使われる英単語TOP100
参考 最も使われる英語の名詞TOP25
参考 最も使われる英語の動詞TOP25
参考 最も使われる英語の形容詞TOP25

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